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2本の針が60秒と12秒で一周して1/10秒を計測
1/10秒計測を可能とする136歯のピニオンギア
センター同軸に置く2つのスリムな針は、シルバー側がクロノグラフの60秒積算計針、そしてレッド側は1周12秒で高速回転し、1/10秒計測を叶える。
搭載するCal.CH 29-535 PS 1/10は、既存の水平クラッチ式手巻きクロノグラフCal.CH 29-535 PSにシリコン技術を駆使したOscillomax®︎調速機構を組み込みこむことで、毎秒10振動にハイビート化。10振動でも必要十分な48時間駆動を得るため、既存サイズの香箱でも長く強い主ゼンマイが収められるよう、細く高強度の香箱芯を新たに開発し、特許を取得している。そして通常のクロノグラフ機構の上に、1/10秒クロノグラフのためのメカニズムを巧妙に重ねた。下の写真中央付近右側にある巨大な歯車が1/10秒クロノグラフクラッチ車。ムーブメント中央に置かれた1/10秒クロノグラフ車は細い筒状のピニオンギアで、周囲には30ミクロンの歯が136個備わり、1/10秒クロノグラフクラッチ車の回転を1周12秒に増速する。微細なピニオンギアと頑強な歯車とを作動時にスムーズに連結させるため、1/10秒クロノグラフクラッチ車は、その右上にある内側に造作した板バネで1歯分の可動域を与えたアンチバックラッシュ車で駆動するしくみとした。さらにクラッチレバーには2つの新たなショックアブソーバー機構が、導入されてもいる。
高速周回するレッドの1/10秒クロノグラフ針は、軽量かつリセット時の衝撃に耐える硬さを併せ持つシリコン系素材のSilinvar®製。この素材をレッドに装飾するための技術でも特許を取得した。
ダイヤル外周のレイルウェイが1/10秒インデックスで、1秒経過を赤で区分した間の目盛りで1/10秒を読み取る。その内側のドットは60秒積算計用。革新的な1/10秒クロノグラフは、視認性においても極めて優秀である。
この機構が凄い!
【Point 1】
Oscillomax®調速機構を搭載する高速ムーブテンワは鼓状のシリコン製で両外側の円弧にはゴールド製のウエイトと歩度調整用のマスロットを設置。これに、やはりシリコン製のひげゼンマイと脱進機を組み合わせることで、高効率化を図り、毎秒10振動を叶えた。
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【Point 1】
Oscillomax®調速機構を搭載する高速ムーブ
テンワは鼓状のシリコン製で両外側の円弧にはゴールド製のウエイトと歩度調整用のマスロットを設置。これに、やはりシリコン製のひげゼンマイと脱進機を組み合わせることで、高効率化を図り、毎秒10振動を叶えた。
【Point 2】
アンチバックラッシュなど新しい7つを含む31特許アンチバックラッシュ車とクラッチのショックアブソーバーなどの機構のほか、1秒間を赤で区分け、その間を10分割したインデックスでも新たに特許を取得。Oscillomax
®調速機構も特許の塊で、計31の特許技術が潜む。
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【Point 2】
アンチバックラッシュなど新しい7つを含む31特許
アンチバックラッシュ車とクラッチのショックアブソーバーなどの機構のほか、1秒間を赤で区分け、その間を10分割したインデックスでも新たに特許を取得。Oscillomax®調速機構も特許の塊で、計31の特許技術が潜む。
【Point 3】
外装に初採用されたSilinvar®製1/10秒針Silinvar
®は、パテック フィリップ独自のシリコン素材。これまで調速脱進機にしか使用されてこなかったが、初めて外装部品である針に用いられた。これを赤く塗装するための下地となるPVD処理技術でも特許を取得。
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【Point 3】
外装に初採用されたSilinvar®製1/10秒針
Silinvar®は、パテック フィリップ独自のシリコン素材。これまで調速脱進機にしか使用されてこなかったが、初めて外装部品である針に用いられた。これを赤く塗装するための下地となるPVD処理技術でも特許を取得。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です