イタリアの食卓を彩る珠玉のプレミアム スパークリング
魅惑のフランチャコルタを訪ねて
イタリアを代表するスパークリングワインであるフランチャコルタ。世界トップクラスの品質を堅持しつつ、未来を見据えたワインづくりに挑む造り手たちをご紹介しよう。
BARONE PIZZINI(バローネ ピッツィーニ)

持続可能なワイン造りの先駆として、フランチャコルタの未来を牽引する
現在、フランチャコルタ協会の会長を務めるシルヴァーノ・ブレシャニーニさん(上写真)。バローネ ピッツィーニのCEOに就任してからまず取り組んだのが、「健康的なワインを造る」ことだった。そこで’98年から畑で除草剤や殺虫剤を使用するのをやめ、有機農法へと切り替えた。あえて草花の種を畑にまき、昆虫を畑に増やし、生物多様性を大事にし、土中の栄養をブドウ自らが吸収するような畑へと整えていった。
「2002年からオーガニック認証を取得しましたが、そこから20数年たった今、ようやく、自然のままの逞しいブドウが育ってくれるようになりました」と彼は言う。さらに新しい醸造施設は地元の建築素材を使った“ビオ建築”とし、畑からワイナリーまで、全方位で持続可能性を提唱。その思いの先には、フランチャコルタという、この地でしか表現できない唯一無二の味への追求があるのだ。

ハプスブルグ王朝の男爵であったピッツィーニ家はモーツァルトとも縁があったことから、ワイナリーの貯蔵庫にはモーツァルトの肖像画が飾られている。

フランチャコルタで初めて土着品種のエルバマットを採用し、5%ブレンドした「アニマンテ」。エルバマットの酸を生かし、きりりとした味わいが特徴。5940円(アルカン)
https://baronepizzini.it/

土壌が豊かでないと、いいブドウはできないとの思いから、土壌の研究は欠かせない。

約180種類もの植物が育つブドウ畑。

他に先駆けて、2008年から土着品種であるエルバマットの栽培を開始。地球温暖化の影響で他のブドウ品種の酸が弱まる中、ワインに酸とフィネス(気品)を与えてくれる。フランチャコルタの構成品種として2017年から正式認定され、古くから地域に根差したブドウ品種が新たな個性をフランチャコルタに吹き込むことが期待される。
[MEN’S EX Autumn 2023の記事を再構成]
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