ハッチバックを大胆に切り取ったスパイダー
1964年のジュネーブ・モーターショーではスパイダーモデルが追加された。オープントップ化においてはハッチバック部分が大胆に切り取られ、クラシック、かつクリーンなリアエンドを持つスタイリングが誕生した。このスパイダー化へのスタイリング開発はジョヴァンニ・ミケロッティが手がけたとされており、製造は3500GTスパイダーと同じように、ヴィニヤーレが担当した。スパイダーのボディはスチール製で、ドア、ボンネット、トランクリッドなどはアルミ製だ。ちなみにクーペ仕様も基本は同様とされているが、ボディも含め全てがアルミ製の個体も存在する。しかしファクトリーのビルドシートにもその差異は記載されておらず、果たしてどのくらいの比率で両者が存在するかは不明だ。
エンジンはクーペと異なり、モデルライフを通して3500cc、3700cc、4000ccという排気量の異なる3種類のエンジンをユーザーの好みでセレクトすることが出来た。もちろん全てルーカス製メカニカルインジェクションが採用された。
ミストラル全体としては大きく前期・後期モデルに分かれる。前回お伝えしたように1966年から適用された後期モデルでは4000ccエンジンが追加され、当初からの3700ccエンジンともども選択可能であった。ダッシュボード周りの仕様変更、16インチから15インチロープロファイルタイヤへの変更などが行われた。クーラーもオプションにて設定された。
このミストラルは1970年までV8エンジン搭載のギブリ(初代)と併売され、長いライフスパンを記録した。クーペモデルが828台とかなりの台数が生産されたが、スパイダーは3500ccが12台、3700ccが76台、4000ccが37台と極めて少数だ。クラシックカー・マーケットにおいてスパイダーは特に高いバリューを保っている。
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文・写真=越湖信一 写真=マセラティ 編集=iconic






