軽快な走りはまるでコンパクトハッチ
試乗車はB200dだった。エンジン始動時の音にわずかにディーゼルであること意識するが、窓を閉めてしばらく走っているとまったく気にならなくなった。最大トルクは320Nmもあるだけに、エンジンは1500回転もまわせば余裕たっぷりに高速巡航できる。走行モード切り替えでは、エコ、コンフォート、スポーツの選択が可能。ステアリングの重さやスロットルレスポンスが切り替わる仕組みになっている。
Sクラスなどが採用する最新世代へとアップデートされたADASは、とても使いやすく安心感のあるもの。従来モデルでは、ディスタンスアシスト・ディストロニック使用時に、ステアリングホイールにかかるトルクでドライバーの手を検知していたため、軽く添えているだけだと警告が出る場面があった。新型ではステアリングのリムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用したことで手の認識精度が高まっており、手は離していないにもかかわらず警告がでるような症状が大幅に解消されている。
Bクラスは、トールワゴンながらも乗り味としてはコンパクトハッチのような軽快さがある。荷物は積みたいけれど、もっさりとした走りは嫌だという人にはうってつけだ。そして上位モデル譲りのインフォテインメントシステムやADASなど、いまのクルマに必要なものがすべて詰まっている。メルセデスがマルチパーパスコンパクトと呼ぶように、まさに多面的で多目的なモデルというわけだ。
文・藤野太一 写真・河野敦樹、メルセデス・ベンツ日本 編集・iconic