ワインジャーナリスト・青木冨美子さんに教わるシャンパーニュの基本

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知っておけば格が上がる!
教養としてのシャンパーニュ

教養としてのシャンパーニュ

暑さの勢いとともに、シャンパーニュを楽しむ機会も増えてきた。美味しい銘柄を知りたいのはもちろんだが、基礎知識を身につけたうえで、専門家が選んだシャンパーニュの味わいや香りの特徴を知っておけば外食でもホームパーティの席でも、男の格を高めることができる。一格上の知識を得て、この夏はお料理とともに教養としても“泡時間”を愉しんでみてはいかがだろう?

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる

シャンパーニュ地方はパリの東約150kmに位置し、畑はモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランに大別される。

主流の大手メゾン、すべてを自社で賄うレコルタン・マニピュラン、協同組合など、業態はさまざまだが、ここで紹介する20アイテムは、どのようなシチュエーションでも飲み手に満足感を与えることができる銘柄。

“シャンパーニュ道”への近道は「自分好みの味」を見つけること。その道を、青木冨美子さんに案内いただこう。

青木さん

青木 冨美子さん

ワインジャーナリスト。「NHK文化センター青山校」「オークラ東京」でワイン講師を務める。シャンパーニュ騎士団より「シュヴァリエ」「オフィシエ」を受章。


ボトルの部分名称

瓶内に炭酸ガスを多く含むため、その圧に耐えられるようボトルは厚く作られている。ボトルに使われている特徴的なものの名称と役割を見ていこう。

ボトル
Bollinger La Grande Année 2014(ボランジェ ラ・グラン・ダネ 2014)/3万3000円 

(1)ボトル
重量は800~900グラム。瓶内の圧力が強いため通常のワインよりガラスが厚い。深緑色や茶色にすることで紫外線や可視光線の透過率を抑えることができる。

(2)エチケット(ラベル)
ブランド、生産者、アルコール度、容量、糖分含有量、シャンパーニュ委員会(CIVC)から交付された略称と登録番号等の記載事項を明記。AOC(原産地統制名称)により「CHAMPAGNE」の表示が義務づけられている。

●プラーク(王冠)
メゾンの思いが表現されているボトルの要の部分。アイテムごとに、色やデザインに個性があるので、収集しても楽しめる。

●ミュズレ(口金)
シャンパーニュは瓶内の気圧が5~6気圧と高い。コルクを打ってからガス圧が抜けないようにするための針金製の栓押さえ。

●コルク
円筒形の下半分を圧縮して瓶口に挿入。経年できのこ形に変化。近年、TCA(コルク臭の原因物質)を除去したタイプが増えている。

シャンパーニュの定義

これほど有名で、よく目にするお酒であるのに、シャンパーニュとは何か、正確に説明できる人は意外に少ないのでは?その定義を知っておこう。

●フランス・シャンパーニュ地方で製造
フランス・シャンパーニュ地方で栽培された認定品種のぶどうのみを使い、同地で生産、醸造、瓶内二次発酵を含む規定の製法で造られたスパークリングワインのみがシャンパーニュと呼称できる。シャンパーニュが特別とされる理由がここにある。

●使うぶどうは主に3品種
黒ぶどうのピノ・ノワール、ムニエ、白ぶどうのシャルドネ。ピノ・ノワールは骨格と力強さ、ムニエは果実味、シャルドネは繊細なアロマや爽やかさをもたらす。その他の認定品種にアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリがある。

●シャンパーニュ方式で造られたもの
収穫したばかりのワインに、メゾンが何年にもわたって保存しておいたリザーヴワインを加えて味を決め、瓶に詰め、蔗糖と酵母を加えて打栓。瓶内で再発酵させるので、この製法をシャンパーニュ方式、または瓶内二次発酵と呼ぶ。

シャンパーニュの甘辛度

シャンパーニュの甘辛度
※残糖分3g/L以下、またはまったく加糖していないシャンパーニュにはブリュット・ナチュール、パ・ドゼ、ドザージュ・ゼロの表示ができる。

液量・糖分調整のための工程(ドザージュ)で加えるリキュールの量により、甘辛度が分類される。エチケットの表示を見れば、甘辛度を知ることができる。

シャンパーニュの味わいと香りを表現する

シャンパーニュには発酵の方法や熟成期間により、さまざまな香りや味わい、色が生まれる。それを表現するのを難しいと感じる人も多いのでは?大切なのは、周りを気にせず、自分の感覚のままに表現すること。そのヒントを以下にご紹介。

香りの表現のヒント

第1アロマ
ぶどう自体のアロマ。シャルドネは白い花、柑橘系果実、エキゾチックフルーツ、アニスやジンジャー。ピノ・ノワールとムニエは赤系・黒系果実、花の香り、スパイスの香り。

第2アロマ
熟成による変化。ブリオッシュ、熟した果実、コンポート、果実の砂糖漬け、ドライフラワーやドライフルーツ、ミツロウ、はちみつ、タバコ、カンゾウ。

第3アロマ
熟成の頂点。マルメロ( 西洋かりん)、パン・デピス(ジンジャーブレッド)、スーボワ(森の下草)、ロースト香、焙煎香(トーストしたパン、ビスケット、モカ、コーヒー、カカオ)。

熟成によるシャンパーニュのアロマの変化

熟成によるシャンパーニュのアロマの変化
@Comité Champagne
@Comité Champagne
@Comité Champagne

上の図は、主なぶどう3品種のアロマが、熟成によりどのように変化するかを表したもの。味わいと香りの表現の参考にしてほしい。

一覧はコチラ: 【シャンパーニュ講座】知っておけば格が上がる!教養としてのシャンパーニュ



[MEN’S EX Summer 2023の記事を再構成]
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