Life with CRAFTSMANSHIP
ビームス クリエイティブ・ディレクター 南雲浩二郎さんが考える
クラフツマンシップを感じる暮らし
年代、素材、国、ブランド問わず、自分が好きだと感じた物だけが置かれている南雲さんの自邸。選ばれた物たちのクラフツマンシップを誰かから受け継ぎ、また誰かに受け継いでいく。ここでは、自著の中からクラフツマンシップを感じる物についてお話いただいた。

作家自身の作意が表現され腕前が質を生んでいる物たち
たくさんの物に触れ学び見てきた南雲さんにとってクラフツマンシップとは?
「ある程度長く同じ物を繰り返し作り続けていくことで分かることはたくさんあるはず。それを自分のものにしている人が、クラフツマンシップを持った人だと思うんです。物の中でも家具や器などの用途、機能がある物に対して、クラフツマンシップを感じることが多いですね。そこには量産には無い魅力があり、腕前によって生まれた質が伴われていると思います。また、クラフツマンシップが残っていくには技術だけでなく、それを理解して買ってくれる人が必要。買うことで技術を後世に残し、支えていくということも大切だと思っています」
好きな物たちは家に招かれ、美しく置かれることで更に魅力が増しているよう。
「ディスプレイのコツは無いんです。最初の一手を頭を空っぽにしてひゅっと置き、そこからおのずと広がっていくという感じ。それぞれの物の素質を把握しているからこそ、即興で料理ができるという感覚です。様々な素材や国、年代の物たちを、並んだ空間の中で調和させていくということが自分のスタイルですね」
ビームスクリエイティブ・ディレクター
南雲 浩二郎さん

VMDの統括後、デコレーターとして国内外で様々な家具やオブジェ、アートなどを買い付けてきた経験から、現職ではビームス社外のクライアントよりプロダクトからインテリアまで、様々なディレクションを請け負う。

OBJECTS balance of differences
タイトルの意味は「異なるモノの均衡」。幅広い媒体で取材を受ける南雲氏の自宅から、多種多様なモノを250点以上収録し、“モノとの関わり方”や“目線”が紐解かれていく一冊。2420円(世界文化社)
[MEN’S EX Spring 2023の記事を再構成]
※表示価格は税込み。