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乗り心地の良さも受け継がれた

ルノー カングー
搭載されるエンジンは最高出力131ps/最大トルク240Nmの1.3ℓ直4ターボ(384万〜395万円)と、116ps/270Nmの1.5ℓ直4ディーゼルターボ(419万円)。

パワートレインは、1.3リッターの直列4気筒ガソリンターボと、1.5リッター直列4気筒ディーゼルターボの2種で、ともに湿式デュアルクラッチを備えた7速オートマチック(EDC)を組みあわせる。いまのところカングーファン待望のMTの設定はないが、たくさんの要望が寄せられればルノー・ジャポンのことだから、きっと導入の可能性はゼロじゃないはずだ。

ガソリン仕様が最高出力131ps、最大トルク240NmでWLTCモード燃費は15.3km/L、ディーゼル仕様が、最高出力116ps、最大トルク270NmでWLTCモード燃費は17.3km/L。価格はディーゼルのほうが24万円高い設定となっている。

ディーゼルのほうがトルクフルで力強く走るというのはそうなのだが、ガソリン仕様でも負けず劣らず軽快に走る。ディーゼル仕様はガソリン仕様に比べて車両重量が約90kg重いことも関係しているだろう。高速道路での長距離ドライブを主体に燃費にも考慮してというならディーゼルを、市街地での走行がメインであれば、わたしならガソリンを選ぶ。

いずれにせよ、カングーの大きな魅力の1つである乗り心地のよさがしっかりと受けつがれている。新プラットフォームの採用でボディ剛性も大幅にアップにしており、よりサスペンションがスムーズにストロークし、しっかりと路面をトレースしていく。その一方でロールの量は最小限に抑えられており、コーナーでグラついて不安になるようなシーンもなかった。荷物や人をたくさん乗せたシーンでは、よりこうした基本性能の高さが効いてくるはずだ。

ダッシュボード
ダッシュボードは水平基調のデザインとされ、ブラッシュアルミ調とダークグレーのパネル、クロームパーツで飾られている。

そしてこれまでカングーには無縁だったADAS(安全運転支援システム)は、一気に最新バージョンへとアップデイトされた。アクティブエマージェンシーブレーキをはじめ、アダプティブクルーズコントロールと、レーンセンタリングアシストを統合したハイウェイ&トラフィックジャムアシストなど、中身もかなり充実している。これがあれば長距離ドライブの疲労はかなり軽減されるはずだ。

聞けば、実は乗用車のカングーにダブルバックドア+ブラックバンパー仕様は、本国にも設定がないようで、わざわざ日本向けに生産されている。そして、イエローのボディカラー+ブラックバンパーの組み合わせでダブルバックドアを備えるのは、日本のファンの声を最大限に反映したジャパンオリジナル仕様という。コロナ禍もあって、本国の発売から国内導入まで少し時間がかかっているなと思っていたけれど、その背景にはファンの期待を裏切らない、こうした日本仕様へのこだわりがあったというわけだ。

文=藤野太一 写真=尾形和美 編集=iconic

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