Q1.ネクタイコーデの柄音痴は治せますか?
A1.タイの柄別コーデ実例で、柄使いのコツを解説します
ネクタイに関する悩みで、最も多いのがこの柄合わせの問題だろう。柄のあるタイをどういうスーツやシャツとコーデしていいかわからず、結果、無難な無地タイばかり締めているという人は少なくないはずだ。
「無地タイも極めると奥が深いものですが、スーツスタイルで唯一色柄の遊びができるのはネクタイですから、いつも無地ばかりというのはもったいない。柄タイの合わせに自信がないのなら、スーツを無地、あるいは無地に近い控えめな柄ゆきのものとすれば簡単にシックにまとまります。それを基本に、ぜひ胸元を新鮮に彩る柄タイに挑戦してみてください」
以下では“ストライプ”“ドット”“小紋”といった3つの主要柄別に、初心者向けと上級者向けのタイをご紹介。あわせて並木さん監修のもと、それぞれおすすめのコーディネートを組んでみた。柄合わせに自信のない人は必見!
誠実な印象を与えるストライプ柄は、ビジネスマン必須の品
ネクタイの柄といえば真っ先に浮かぶのがストライプ。胸元をキリッとシャープに引き締め、誠実な印象に見せたいときなどに最適のチョイスだ。とくに左のようなネイビーベースのシンプルな配色のものはコーデしやすく、初心者におすすめだ。そして慣れてきたら右のような今らしい色合いのストライプタイにも挑戦してみよう。このように配色の妙、あるいは縞の太さやピッチによってぐっと洒脱な印象に傾くのもストライプタイの面白いところだ。
初級コーデ:
「王道のストライプタイは、無地スーツに合わせて柄を立てましょう」
1961年の誕生以来。常に時代のドレススタイルに合う本格タイを提案し続けてきた「ロバート フレイザー」。こちらはネイビーに細めの白ストライプを配したシンプルなデザインゆえ、年齢や立場を問わず、幅広いスタイルに使えるだろう。基本にして普遍的な1本だ。
「ある意味ストライプタイの王道。こういうシンプルなストライプは、無地スーツに合わせてタイを際立たせるといいでしょう。このコーデのようにタイと近しい色合いのネイビー無地のスーツに合わせるとぐっとフォーマル感も高まり、どこに出ても恥ずかしくないスタイルとなります」
上級コーデ:
「モダンなストライプは、トーン・オン・トーンでまとめると落ち着きます
イタリア有数のシルク産地コモにて1973年に創業した「フランコ バッシ」は、クラシックな中に旬のエッセンスを取り込むことが得意なブランド。こちらはアイボリーベースに、絶妙な配色のマルチカラーストライプを走らせ、新鮮な雰囲気に仕上げた。とても今っぽいストライプタイといえよう。
「モダンな雰囲気もあるため合わせが難しく感じるかもしれませんが、茶やベージュ系のスーツと合わせてトーン・オン・トーンでまとめると洒脱に決まります。ここでは茶のリネンスーツに合わせてみました。タイにコットンがブレンドされているため、素材感的にもしっくりなじんでいるのではないでしょうか」
大きさと間隔で印象が変わるドット柄タイ
クラシックなタイ柄でありながら、どこか印象を柔和に見せ、程よく遊び心も感じられるのがドット(水玉)柄タイのいいところ。ミーティングなどで親しみやすい人柄を演出したいときには是非活用していただきたい。ドットが小さいほど初心者向き、ドットが大きく主張感の強いものは上級者向きと覚えておこう。
初級コーデ:
「シンプルな着こなしでドットのクラシックさを際立たせましょう」
ポップな雰囲気もあることからドット柄を敬遠する人も多いが、もともとタイの正統柄であり、とくにこういうドットの小さいタイプはシックにまとまりやすい。ちなみに今シーズンの「ロバート フレイザー」は“ロイヤル エッセンス”をテーマとしており、このタイもとても気品ある仕上がりだ。
「このタイは幅広いコーデに使えますが、ドット柄初心者であれば、合わせはシンプルに徹するといいでしょう。そうすることでドット本来のクラシックな趣も高まり、大人っぽく仕上がります。ちなみにこういう濃いブラウンベースのタイは、スーツの色を明るめとすると胸元の立体感が高まっておすすめですよ」
上級コーデ:
「夏場のトラッドスタイルの今らしいポイントに」
1926年に英国で創業した「ホリデー&ブラウン」は、昔からエキセントリックかつユニークな柄タイが得意なブランド。ネイビーベースに大柄ドットをランダムに配したタイにもその個性がよく現れ、スタイルに新鮮なツイストを加えたいときに絶好の仕上がりとなっている。
「程よくカジュアルなニュアンスもありますから、ここでは青×白のシアサッカーのスーツとコーデしてみました。色合い的にも爽やかで、トラッドな夏スタイルといった感じでしょうか。ちなみに白いオックスフォード生地のシャツは、襟がボタンダウンではなくタブカラー。こういうちょっとしたアレンジもこのタイのモダンな感じとリンクし、今らしいムードを盛り上げていると思います」
アイキャッチ効果が高いのが小紋の魅力
一口に小紋タイと言っても種類は多彩。もともとソリッドタイに小さな紋章を散りばめたタイのことを指したが、花小紋や幾何学小紋、変形ドットなど、さまざまなタイプが存在する。中でもシックにまとめたいときは左のように小紋が小さいものを選ぶのが正解。一方、今らしい洒落感を表現したいのなら、右のように小紋が大きめなタイプを選ぶといいだろう。
初級コーデ:
「クレリックシャツと合わせて英国テイストに」
この小紋タイはベースの色に合わせて、スーツとシャツをブルー系でコーデすると簡単に端正なスタイルが完成する。小紋の中心を白で抜いていることもあり、爽やかで若々しい雰囲気に仕上がっているのも魅力だ。
「ちなみにスーツにはうっすらと同系色のグレンチェック柄が入っており、シャツは身頃ブルーのクレリックです。小紋タイ本来のクラシックな雰囲気と沿うチョイスであり、正統派の英国調でスタイルをまとめたい人にはおすすめです」
上級コーデ:
「明るいベージュでプリント小紋の粋な感じを強調」
ダークトーンのスーツに合わせても洒脱に決まるタイだが、春夏らしい雰囲気を演出したいなら、ご覧のような明るいベージュのスーツとの合わせも面白いと並木さん。
「ここではプリントタイの軽快感を引き出すべく、スーツはコットンリネンスーツのものを選んみました。そしてシャツはブラウンと馴染みのいい淡いピンクをチョイス。こういう柔らかなトーンの中だと小紋のポップなカラーリングも際立ち、ぐっと洒落た雰囲気になるのもいいですね」(並木さん)