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ムーブメントのしくみ

時・分・秒針のしくみとは?

3つの針がそれぞれ12時間・60分・60秒で一周し、時刻を示す。その回転周期は、前出の調速脱進機が正確にコントロールする。





[時・分・秒針の役割]

オメガ「シーマスター ダイバー300M」
オメガ「シーマスター ダイバー300M」はセンターセコンド。

アナログ式の時計は、異なる回転周期をもつ3本の針の位置で、時・分・秒の各現在時刻を示す。携帯可能な機械式時計は最初期には時針しかなく、その後精度が高まり、分針、秒針が追加された。上のオメガ「シーマスター ダイバー300M」はダイヤル中央に3本の針を同軸に設置したセンターセコンド。こちらの記事のような輪列構造の場合、秒針は時・分針から独立し、ダイヤル内に置く第2の小さなダイヤル=インダイヤルに設置されるスモールセコンドとなる。

時・分・秒針
こちらの針はパネライの「ルミノール」のもの。スモールセコンドなので秒針は時・分針より短い。

時・分・秒針のしくみ

分針は二番車に、秒針は四番車に取り付ける?

時・分・秒の各針の回転周期が異なるのは、取り付けられる歯車が異なるから。各針を動かす歯車の歯数で回転速度が決まる。





分針の歯車を増速・減速

センターセコンド式
センターセコンドは1950年代に登場し、秒単位まで見やすいため主流になったが、二番車と四番車を同軸に重ねる必要があり、ムーブメントが厚くなりがち。

こちらの記事で述べているように、香箱の回転は順に増速しながら伝達される。増速される回転速度は、調速脱進機により二番車では1周60分、四番車では1周60秒に制御され、それぞれに分針と秒針が取り付けられている。

最もシンプルなセンターセコンド式ムーブメントの構造図
最もシンプルなセンターセコンド式ムーブメントの構造図。香箱と直接つながる分針を動かす二番車の回転速度を軸とし、増速して秒針を、減速して時針を動かす。

センターセコンド式では、二番車の軸がチューブ状になっていて、その中を四番車の軸が通り、二番車の軸に被さるように筒車が重なる。筒車とカナで噛み合う日の裏車は、二番車の筒カナによって駆動伝達される際に減速。筒車への駆動伝達時にも減速され、1周12時間となる。筒車にはチューブ状の突起があり、これに時針が取り付けられる。各針を動かす歯車の軸は、入れ子のように筒車を外側にして二番車、四番車の順で中を通るため、針の取り付け位置は下から時針、分針、秒針となる。

 

もっと知りたい方はこちら!

腕時計のしくみ 表紙画像

『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』
特別定価 :1,980円(税込み)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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※表示価格は本書発売時(2022年12月18日現在)の税込み価格です
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