季節柄、冬の装いは、ついつい、ダークトーンやシンプルになりすぎてしまいがち。その解決策は、やはり華やかさを添えるポイントを作ること。そこでうまく取り入れたいのがマフラーやストールなどの巻きものだ。なかでもメゾンのそれは、デザイン性が高く、伝統の色使いや、デザイナーの個性が反映された柄使いで、着こなしを明るく見せられるから、ありがたい。また、華やかでも高級感があり、悪目立ちすることなくシックで取り入れやすいのもメゾンならでは。この冬は、いつもの落ち着いた冬の装いに、巻きもので遊びをプラスしてほしい。
Saint Laurent
伝統の柄をサンローランがモダンにアレンジ
タータンチェックをモチーフにしたパターンと、バーガンディをメインとする目を引くカラーリングに注目。端部にタッセルが付いたレクタンギュラー形状で、細身のシルエットが都会的な印象を与える。特徴的な裏面のモヘア混ブレンド素材は、ウォーム感満点で、サラリと巻くだけで冬の気分を楽しめること間違いなしだ。サイズ35×180cm。
DIOR
一度巻いたら忘れられない心地よさが自慢
タイムレスでクラシックな、ネイビーブルーにエクリュ&グレーのストライプが入ったデザインが印象的な一枚。ウールとモヘヤの混紡素材を使用していて、しっかりとした厚みがありながらも、抜群の柔らかな風合いを実現。季節感と爽やかさ、上品さが網羅できるので、好感度アップにも役立ちそう。サイズ69×184cm。
Ferragamo
広げればアイコンが顔を見せる奥ゆかしいデザイン
ブルーグレーとグレーのコンビネーションによる、落ち着いた表情は、品格ある大人に好相性。描かれたパターンは、ブランドのアイコンである、ダブル・ガンチーニ。大柄ゆえ、ざっくりと巻くと、ブランドのアピールが控え目になり、広げれば「あ!」と気づくアイデアは見事だ。素材は薄手のソフトなウール100%で、寒い季節から、春先まで長く使えて重宝する。サイズ180×45cm。
Giorgio Armani
全面に配したモノグラム使いは遊び心満点
シンプルなブラウンと黒の2色使いで、総柄のモノグラムを織り上げた遊び心が漂うデザインは必見。シルクブレンドのウール素材は、厚みと起毛感があり、ふんわりとした肌触りがとても心地よい。装いがシンプル過ぎたかも、と心配なら、これを一枚巻くだけで問題は解決だ。サイズ80×36cm。
Bottega Veneta
ジャカードで書かれたグラフィックが新鮮
全体にジャカード グラフィックで表現されているのは、ボッテガ ライティング。手書き風の柄だけに安心感や人の温もりが漂い、取り入れれば好印象につながりそう。ミディアムウェイトのウール100%のニット素材は、肌あたりも優しく、保温性の点でも申し分なし。裏面が黒地になっているため、長めに垂らせば、黒のチラ見せでモノトーンならではの、シックなムードも演出できる。
Hermès
素材のクオリティを追求する情熱がうかがえる名品
カシミアより、少しドライ感があるタッチが特徴のヤクヘア100%のマフラー。ヒマラヤ山脈に生息するヤクの毛の下にある「クル」と呼ばれる柔らかい毛を丁寧に選別し、手で紡ぎ、ネパールの伝統的なシャトル織機で織り上げた希少な一枚だ。また、レザーのHモチーフが、両面のぴったり同じ場所に取り付けられているのにもご注目。全長190cmで、二重に巻いてアレンジできるのもうれしい。サイズ50×190cm。
Gucci
表と裏、リバーシブルで使える気の利いた柄使い
ブラウン系のチェック柄と、GGパターン。表と裏で柄が全く異なるから、いろいろなコーディネイトが楽しめてしまうところがおもしろい。GGパターンは、ブランド創設者グッチオ・グッチのイニシャルから、1965年に生まれたもので、ブランドのアイコンとなっている。素材はソフトなウール100%。サイズ35×180cm。
写真=若林武志 スタイリング=宮崎 司 文=川田剛史
※表示価格は税込み