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新型「メルセデスAMG SL」の仕上がりは?

AMG SL
2022年10月に日本でもお披露目された7代目は、従来の2シーターから2+2シーターへと変更。2リッター直4ターボを搭載するSL43(1648万円)が導入された。

AMG SLのディテールをチェック(画像8枚)

<p>14本の垂直ルーバーを備えた立体形状のAMG専用フロントグリルを採用。ボンネットのパワードームはSLの歴史に対するオマージュとなる。</p>

14本の垂直ルーバーを備えた立体形状のAMG専用フロントグリルを採用。ボンネットのパワードームはSLの歴史に対するオマージュとなる。

<p>従来のハードトップから電動ソフトトップへと変更された。ルーフ開閉時間は約15秒、60km/hまでなら走行中でも操作が可能。</p>

従来のハードトップから電動ソフトトップへと変更された。ルーフ開閉時間は約15秒、60km/hまでなら走行中でも操作が可能。

<p>可変ダンピングシステムを備えた新開発のAMG ライドコントロール サスペンションを備える。</p>

可変ダンピングシステムを備えた新開発のAMG ライドコントロール サスペンションを備える。

<p>自動で5段階のポジションに変更されるリトラクタブルリアスポイラーを装着。</p>

自動で5段階のポジションに変更されるリトラクタブルリアスポイラーを装着。

<p>最高出力381ps/最大トルク480Nmの2リッター直4ターボを搭載。ターボ軸をモーターが直接駆動させる、F1由来の電動ターボチャージャーを備えている。</p>

最高出力381ps/最大トルク480Nmの2リッター直4ターボを搭載。ターボ軸をモーターが直接駆動させる、F1由来の電動ターボチャージャーを備えている。

<p>左右対象のダッシュボードを採用したインテリア。新しいデザインのタービンノズル型エアアウトレットを備えている。</p>

左右対象のダッシュボードを採用したインテリア。新しいデザインのタービンノズル型エアアウトレットを備えている。

<p>各種操作を行う11.9インチの縦型メディアディスプレイがセンターに備わる。オープン時の光の反射を防ぐため、ディスプレイの角度が調節できる。</p>

各種操作を行う11.9インチの縦型メディアディスプレイがセンターに備わる。オープン時の光の反射を防ぐため、ディスプレイの角度が調節できる。

<p>コンパクトに折り畳まれるソフトトップの採用でラゲージ容量は213リッターとなる。さらにソフトトップのクローズ時には約240リッターまで拡大する。</p>

コンパクトに折り畳まれるソフトトップの採用でラゲージ容量は213リッターとなる。さらにソフトトップのクローズ時には約240リッターまで拡大する。

その効果は、乗り始めた直後から実感できる。

たとえば発進では、あまり深くアクセルペダルを踏み込まなくてもすっと軽々と走り始める。それは、エンジンがパワフルであることはもちろんなのだけれど、それ以上に、ボディが軽量であることを強く想像させる動き出しなのだ。その後の加速感も軽快そのもので、まさに意のままにドライブできる。その軽やかさは、まるで厚手のコートを脱いだときに近い感覚だ。

これと似た軽快感は、コーナリングでも感じ取ることができる。ハンドルを握る手の、ちょっとした手首の動きにも的確に反応するレスポンスは、スポーツカーにとってもっとも重要な性能のひとつ。それを新型SLは、極めて高いレベルで実現している。それも、ただ軽快なだけでなく、路面を確実にとらえる安心感とともに実現しているのが新型SLの素晴らしさといえる。

ここでもうひとつ指摘しておきたいのが、ハンドルから伝わってくる路面の感触である。タイヤがどのくらいしっかりと路面を捉えているかは、ドライバーにとって極めて重要な情報となる。裏を返せば、タイヤが路面を確実にグリップしていることがわかればこそ、ドライバーは安心してコーナリングを楽しめるのだ。その点、新型SLは、まるで路面を手のひらで撫でているかのごとく、ハンドルから鮮明な感触が伝わってくるので、安心してスポーツドライビングを楽しむことができるだろう。

いっぽうで、新型SLの乗り心地はこれまでに比べてややソリッドで、路面からの振動を正直に伝えるようになった。もっとも、ボディ自体がとても強固なため、多少ショックが加わってもそれを瞬時に静めてくれるので、乗り心地は硬めでもいやな感じはしない。その意味でいえば、一般的に「節度ある硬さ」といわれるタイプだ。

乗り味はスポーティでも、ボディサイズは全長:4700mm、全幅1915mmと立派なもの。エクステリアデザインにしても、最新のメルセデス・ベンツと同じデザイン言語が用いられており、その佇まいには風格さえ漂う。さらにいえば、安全性もメルセデス・ベンツと同一で、「ヘイ、メルセデス! 」と呼びかければMBUXの音声認識システムが立ち上がり、ナビゲーションシステムの設定からエアコンの調整まで音声でコントロールできる。つまり、メルセデス・ベンツの最高級ロードスターに相応しい装備を網羅しているのである。

メルセデス・ベンツ SLの源流は1952年に誕生した300SLプロトタイプにある。実質的にはプロトタイプでごく少量が生産されたに過ぎない初代300SLは、ルマン24時間で総合優勝を果たすなど、モータースポーツ界で華々しい戦績を残した。その後、大幅な改良を経て1954年に量産モデルとして再デビュー。圧倒的なパフォーマンスとガルウィングドアでまたたく間に世界中で好評を博していった。

以降、70年間にわたって進化を繰り返してきたSLは、次第に豪華で快適なオープンスポーツへと変貌していく。それが、今回デビューした7代目SLで、先祖返りともいうべきコンセプトの見直しが断行され、スポーツカー色を大幅に強める結果となった。

ちなみに、SLはドイツ語のSuper Leicht(スーパー・ライヒト)に由来する。

文=大谷達也 写真=岡村昌宏 構成=iconic

関連記事:メルセデス・ベンツ Cクラスに“全地形対応”オールテレインが初登場

<p>14本の垂直ルーバーを備えた立体形状のAMG専用フロントグリルを採用。ボンネットのパワードームはSLの歴史に対するオマージュとなる。</p>

14本の垂直ルーバーを備えた立体形状のAMG専用フロントグリルを採用。ボンネットのパワードームはSLの歴史に対するオマージュとなる。

<p>従来のハードトップから電動ソフトトップへと変更された。ルーフ開閉時間は約15秒、60km/hまでなら走行中でも操作が可能。</p>

従来のハードトップから電動ソフトトップへと変更された。ルーフ開閉時間は約15秒、60km/hまでなら走行中でも操作が可能。

<p>可変ダンピングシステムを備えた新開発のAMG ライドコントロール サスペンションを備える。</p>

可変ダンピングシステムを備えた新開発のAMG ライドコントロール サスペンションを備える。

<p>自動で5段階のポジションに変更されるリトラクタブルリアスポイラーを装着。</p>

自動で5段階のポジションに変更されるリトラクタブルリアスポイラーを装着。

<p>最高出力381ps/最大トルク480Nmの2リッター直4ターボを搭載。ターボ軸をモーターが直接駆動させる、F1由来の電動ターボチャージャーを備えている。</p>

最高出力381ps/最大トルク480Nmの2リッター直4ターボを搭載。ターボ軸をモーターが直接駆動させる、F1由来の電動ターボチャージャーを備えている。

<p>左右対象のダッシュボードを採用したインテリア。新しいデザインのタービンノズル型エアアウトレットを備えている。</p>

左右対象のダッシュボードを採用したインテリア。新しいデザインのタービンノズル型エアアウトレットを備えている。

<p>各種操作を行う11.9インチの縦型メディアディスプレイがセンターに備わる。オープン時の光の反射を防ぐため、ディスプレイの角度が調節できる。</p>

各種操作を行う11.9インチの縦型メディアディスプレイがセンターに備わる。オープン時の光の反射を防ぐため、ディスプレイの角度が調節できる。

<p>コンパクトに折り畳まれるソフトトップの採用でラゲージ容量は213リッターとなる。さらにソフトトップのクローズ時には約240リッターまで拡大する。</p>

コンパクトに折り畳まれるソフトトップの採用でラゲージ容量は213リッターとなる。さらにソフトトップのクローズ時には約240リッターまで拡大する。

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