40mmの車高アップでスタイルも走りも“SUV”に
メルセデス・ベンツのオールテレイン(all-terrain)とは、「全地形対応」を意味する言葉。ステーションワゴンをベースに、車高を少し上げて、ホイールアーチに樹脂製のモールを装着し、悪路走破性を高めたSUVとのクロスオーバーモデルである。
これまでEクラスにのみ設定されていたが、フルモデルチェンジを機に、一回り小さなCクラスにも初めてラインアップされた。
エクステリアは、GLAやGLCといったSUVモデルと共通するシングルルーバーのラジエーターグリルをはじめ、前後バンパー下部にはシルバークロームのアンダーガードを、そしてブラックのホイールアーチカバーを取り入れることで、ステーションワゴンとの差別化を図っている。
ボディサイズは、全長4760mm、全幅1840mm、全高は1495mmとステーションワゴン比で車高を約40mmアップし、最低地上高とアイポイント、そして乗降性を高めている。ここでの大きな特徴は、一般的な立体駐車場に収まるサイズであることだ。
インテリアは、基本的にベースのCクラスのものを踏襲する。ダッシュボードの上段には、角型エアアウトレットがセンターに3つと左右1つずつの計5つ、配置されている。そして、運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイと、ドライバーに向けて6度傾斜した縦型の11.9インチのメディアディスプレイの2つのスクリーンが主役だ。
事前に登録した指紋もしくは声による生体認証、またはPINによって個人を特定し、シート、ステアリング、サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末のデータなどを統合して読み込むことができる。デジタル化が進めば進むほど、こうしたセキュリティーは重要な意味を持つ。
ナビや音声通話、音楽の選択などは、他社でも採用が増えてきた、自然対話式音声認識で行える。“ハイ、メルセデス”で起動するMBUXは先駆けでもあり、導入から数年が経過していることもあって、言語認識能力が高まっている。シートヒーターのオン・オフやアンビエントライトの色変更もスムーズだし、「サンシェードを閉めて」と言えば、パノラミックスライディングルーフのシェードも自動で閉めてくれる。また、ナビゲーションのマップは、2Dも3Dもとても見やすいもので、さらに交差点などではAR(拡張現実)ナビゲーションが、実際の映像の上に矢印などを重ねて進行方向を表示してくれるので、案内が分かりやすい。