満を持して登場した鉄板&定番モデルの最新世代

日本の道路事情にあったサイズ感、安全性能の高さ、快適性や走行性能とすべてを兼ね揃えた万能モデルとして高い人気を集め続けてきたメルセデス・ベンツのCクラス。注目が集まる中で登場した新モデルは、周囲の期待を裏切らない秀逸な出来映えだ。

小さい体に全てが詰まったメルセデス・ベンツの主力モデル
日本で一番売れているプレミアムセダンといえば、メルセデス・ベンツCクラス。それが今年、5世代目へとフルモデルチェンジした。
Cクラスのルーツは1982年に登場した「190」クラスにまで遡る。日本の5ナンバーサイズに収まる、当時のメルセデスのラインナップとしては最小モデルだったが、上位車種にも匹敵する質感や安全性の高さで日本でも大ヒット作となった。
そして1993年、190の後継として初代Cクラスが登場。以後、基本コンセプトを踏襲しながら、およそ7年周期で進化を重ねている。
新型Cクラスのエクステリアデザインは、先に登場した新型Sクラスを彷彿とさせるものだ。最新のメルセデスのデザインフィロソフィー、“Sensual Purity=官能的純粋”に基づいてデザインされている。要約すれば、“飾り立てるのではなく、削ぎ落とすこと”だ。ボディのプレスラインやエッジなどを可能な限り減らして、曲線を描く面構成によって陰影を生み出し、プロポーションを強調している。ボディサイドには、フロントからリアにかけて1本の力強いキャラクターラインが伸びている。“キャットウォークライン”と呼ばれるそれが、伸びやかかつ車高を低く見せる効果を発揮する。サイドからこのクルマを眺めてみると、歴代Cクラスそのままにウインドスクリーンとキャビンが後方に配置されていることがわかる。伝統を守りながらモダンでスポーティなプロポーションを生み出している。

顧客のニーズに対応する様々な最新デバイス類
インテリアは大きな2つのディスプレイをメインにデザインされている。ステアリングの奥にはメーター類を表示する12.3インチの大型コックピットディスプレイを、センターには縦型の11.9インチメディアディスプレイを配置。こちらも基本的な要素は新型Sクラスを踏襲しながら、Cクラスではドライバーズカーらしく、ダッシュボードとメディアディスプレイを6度、ドライバー側に傾けている。
こうしてセンターコンソールからは多くのスイッチが排除されたが、安全を重視するメルセデスの思想として、ハザード用など重要なものは物理スイッチを残している。それ以外に使用頻度の高いものはステアリングにスイッチ類を集約。また対話型インフォテインメントシステム「MBUX」(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を組み合わせることで操作性を高めてもいる。
さらに新型Cクラスには生体認証システムが搭載されている。事前に登録した指紋や声、またはPINコードでロックを解除すると、保存されているプロフィールデータなどを呼び出せるものだ。昨今、クルマもスマートフォンなどと同様にデジタル化が進み、利便性が高まるほどに、セキュリティ対策はますます重要になってくる。