徳川家の菩提寺である増上寺がある芝公園は、東京都内でも屈指の緑のオアシスである。江戸の風情を感じさせるこのエリアに1948年に創業したのが、芝パークホテル。元は外国貿易使節団のためのホテルとして建てられ、芝の地に根差してきた老舗ホテルだ。
2020年から、芝パークホテルではリブランドプロジェクトがスタート。東京の歴史とともに歩んできたホテルが培ってきた伝統はそのままに、銀座 蔦屋書店のディレクションによる約1500冊に及ぶ書籍コレクションを収蔵。都内では珍しいLibrary Hotelへと進化したのだ。
館内に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが、階段を囲む壁全体が書棚になっている中央大階段。「紡いでいく価値」をテーマに、約7mある大書棚に「過去」「現在」「未来」にちなんだ書籍が並ぶ。
そして、「普遍的で揺るぎない美」をテーマとする1階ライブラリーラウンジには、写真集から小説までオールジャンルの本がそろう。時代が変わり、人が変わっても、変わらず大事にしたいものを伝えられる書籍が選ばれている。真空管アンプから流れる音楽に身をゆだね、暖炉に囲まれたラウンジで心ゆくまで読書の時間を満喫できる。