今、一番使える【ジャケット選び】大研究
真夏の最高級
ニッポン・ビスポークの「軽涼革命」その最新
加速度的に進むカジュアル化とリラックス志向の高まりを受けて、今、ビスポークジャケットにもかつてない“軽涼革命”が起こっている。最高の職人技による快適ジャケット。その最新事情をお伝えしよう。
CICCIO(チッチオ)
ノーライニングで格段に清涼化
年々過酷さを増すニッポンの夏に対応すべくチッチオが打ち出しているのが、裏地をすべて省いた完全ノーライニングのビスポークジャケット。身頃はもちろん袖裏まで排されているのが特徴である。その恩恵を最大限受けられるのが、ポロシャツやカットソーなど半袖インナーの上に着用したとき。汗をかいても素肌に裏地がまとわりつかないため、真夏にこそ清涼感を味わえる。写真のようなメッシュ調の生地で仕立てれば通気性も大幅にアップし、すこぶる快適というわけだ。
とはいえ、用いる芯地は従来と同様で、構造のアンコン化はあえて行っていない。ビスポークならではの立体美を維持しながら極力涼しく仕立てたいという顧客の需要に応えるためだ。
余談だが、裏地がなくすべてのシームが露出した本作を見ると、チッチオの縫製がいかに精緻であるかを再認識できる。感動ものの職人技だ。手仕事の美を味わう観点からもおすすめの一着。オーダー価格は52万8000円〜(チッチオ ジャパン)
代表
上木規至さん
[MEN’S EX Spring 2022の記事を再構成]
※表示価格は税込み