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続く「002」(❷)にも、実に興味深いストーリーがある。

潔すぎるジャケット専業ブランド
❷各5万2800円(宮本スパイス)

「パタンナーと『001』のデザインを詰めていく過程で、“トワル”というプロトタイプのようなものを作りました。あくまで確認用のものなので、生地も製品とは違うものだったのですが、着るとこれが軽くてなんとも心地いい。この素材を使ったら、夏にも快適なジャケットができるはず。そう思いついたときに『002』が生まれました。せっかくなら、あまり世の中に存在しない色にしようと考えて京都で生地染めを行い、この色展開に。とはいえただの派手色ではなくて、黄色はチノショーツ、青はフレンチワークウェアなど、自分のワードローブから色出しをしています。なので、着ると意外に馴染むんですよ」

英国のスモーキングをモチーフにしているだけあり、シルエットや作りはクラシック。フロントカットは左右に大きく逃げていて正面からはすっきりとした印象だが、横から見ると前後にボリュームがある。背中はセンターシームのないカバーオール的な作りで、うなじから肩甲骨付近まではしっかりと体に沿いつつ、裾に向かって緩やかに広がっているのが印象的だ。また、襟裏の補強ステッチをW字形にしていたり、袖とラペルのステッチ幅を比べるとちょうど2倍になっていたりする密かな意匠にも、実は深い理由がある。興味のある方は受注会の際に訊いてみてほしい。

潔すぎるジャケット専業ブランド

語り尽くせないほどの物語が込められたジャケットだが、宮本氏のメッセージはシンプル。「今まで着たことのないジャケットを着て、日常に新しい彩りを加えてほしい」ということだ。その理念は、タグの下に小さく記された「SPICE UP OUR LIFE WITH JACKETS.」という言葉に集約されている。

「自分自身が“本当に欲しい!”と思ったものを、素直に形にしています」
―― 宮本哲明

潔すぎるジャケット専業ブランド

JACKET(ジャケット)

ディレクター/宮本哲明 Tetsuaki Miyamoto
 Profile 
1983年生まれ。自身の会社で手がけるショールーム&ストア「ブランデット」で多くのブランドのPRに携わる傍ら、2020年に自らのブランド「ジャケット」を始動。



[MEN’S EX 2021年10月号DIGITAL Editionの記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み。

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