三部社長に聞く、環境問題でホンダが敢えて困難な目標を掲げた理由

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「2040年までにEV、FCVの比率を100%に」

コンパクトEVのホンダ e
コンパクトEVのホンダ e。航続距離を259〜283km(WLTCモード)と割り切ったシティコミューターで、運転支援システムなどの先進装備が充実している。

にもかかわらず、三部社長は「2040年までにEV、FCVの比率を100%にする」と宣言しました。これほど大胆な目標を掲げた自動車メーカーは、日本にホンダ以外なく、このため、その達成を疑問視する声も少なくありません。

新型ヴェゼル
ホンダがe:HEV(イー エイチ イー ブイ)と呼ぶハイブリッドモデルを、新型ヴェゼル(写真)やフィットなど7モデルにラインナップした。

敢えて困難な目標を掲げた理由を、三部社長は次のように説明してくれました。

「今回の目標は2、3年前から考えていたものです。欧米はカーボンニュートラルに向けて積極的に取り組んでいますが、日本の対応は決して早くありません。このままでは日本が世界から取り残される、つまりガラパゴス化する恐れがあったので、具体的な数字を掲げて目標を明確にしました。もうひとつ、ホンダ社内の動きを加速させることも狙いのひとつでした」

Honda SUV e:prototype
2021年上海モーターショーでは中国初となるHondaブランドのEVプロトタイプ、Honda SUV e:prototypeを初公開した。HondaブランドのEVは中国においても5年以内に10車種が投入されるという。

ホンダは、1970年代初頭に独創的なCVCCエンジンを製品化。世界中の自動車メーカーが「達成は不可能」と指摘した“マスキー法”(当時、世界でいちばん厳しいといわれたアメリカの排ガス規制のこと)を、このCVCCエンジンでいち早くクリアした実績があります。

「独創的な技術で不可能を可能にする」

ホンダ社内で綿々と受け継がれてきたそんな強い思いが、三部社長の宣言を後押ししたことは間違いなさそうです。

文=大谷達也 写真=本田技研工業 編集=iconic

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