ビームス中村さんが20年着続けたい、ナポリ仕立てのシャツとは……?

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AM NAPOLI

ビームスのクリエイティブディレクター、中村達也さんが所有する貴重なお宝服の中から、ウンチク満載なアイテムを紹介する人気連載「中村アーカイブ」。「ベーシックな服もアップデートされていくので、何十年も着続けられる服は意外と少ない」という中村さんだが、自身のファッション史の中で思い出深く、捨てられずに保管してあるアイテムも結構あるのだとか。そんなお宝服の第49弾は……?

中村アーカイブ細バナー

【中村アーカイブ】 vol.49 / AM NAPOLIのプルオーバーシャツ

AM NAPOLIのプルオーバーシャツ

2002年頃購入したものです。’90年代半ば頃に盛り上がり始めたイタリアンクラシックも’90年代末頃になると日本でも大きな流れとなり、イタリア人も知らないような小さな仕立屋や工房が注目されるという、ある意味世界的にも非常に珍しいマニアックな方向にマーケットが流れていました。

そんな時に日本で一躍有名になったナポリのカミチェリア(シャツの仕立て屋)がANNA MATUOZZO(アンナ マトッツォ)でした。私が初めてアンナ マトッツォを知ったのが1997年に初めてナポリに行った時でした。

アットリーニの三男のジュゼッペ アットリーニが着ていた、ひと目見ただけで柔らかい襟とハンドメイドだとわかるエレガントなレギュラーカラーのシャツに興味を持ち、どこのシャツかと尋ねたところ、ナポリにある小さなカミチェリアで作ったもので、アットリーニの三兄弟ともそのカミチェリアでオーダーしているという話でした。

その後、そのシャツ工房はナポリの名店ロンドンハウスで’70年代から’80年代までシャツのオーダーを担っていたアンナ マトッツォという女性が’90年代に独立して構えたカミチェリアということを知ります。

その頃、日本で代理店が出来たこともあり、BEAMSを始め多くのセレクトショップがアンナ マトッツォのシャツをバイイングし展開していました。

イタリアンクラシックの大ブームもあり、当時でも3万円後半したアンナ マトッツォのハンドメイドのシャツは顧客を中心に毎シーズンよく売れました。

オーダー専門の小さなカミチェリアが作る既製のシャツが、それだけ話題になるということを考えても、当時の日本のイタリアンクラシックのブームが非常にマニアックな方向に向かっていたのがよくわかります。

数年間展開してある程度実績ができると、今後の取引の発展性に関しての話になるのはイタリアのサプライヤーとは避けて通れない道(笑)。

そこで話に上がったのが、当時はナポリのハンドメイドのシャツがもてはやされていた一方で、北イタリアのマシンメイドのシャツも人気だったので、シャツはハンドメイドでなくてもいいというお客様も多く、そのようなお客様にもアンナ マトッツォの良さを知ってもらうためにマシンメイドのラインを作る企画が持ち上がりました。

アンナ マトッツォの受注を増やしたいという思いと、BEAMSのより広いお客様にアンナ マトッツォの良さを知ってもらいたいという思いが一致し、2000年からマシンメイドのラインの企画を始め、2001年から展開を始めたのがAM NAPOLIでした。

当初はドレスラインだけの展開でしたが、その後イタリアンクラシックのカジュアル化の波も見え始めた2002年に、このプルオーバーシャツを展開しました。当時日本ではまだカプリシャツも一般的ではなかったので、ナポリのカミチェリアが作るプルオーバーシャツは非常に新鮮でした。

当時AM NAPOLIはインターナショナルギャラリーのバイヤーがバイイングしていましたが、とても気に入り、それ以来夏の定番シャツのひとつになりました。購入して以降まったく着ないシーズンもありましたが、それでもお気に入りのシャツなので毎年夏になるといつでも着られるようにスタンバイしてきました。

購入して19年目の今年の夏もよく着ました。プルオーバーの流れがあるので、今シーズンはドローコードのパンツと合わせてリラックス感のあるコーディネートで着ていました。

さすがに19年前のシャツなので、今となっては少し襟が大きく襟腰も高く、ボディーも少し細いかなと思いますが、それでも着るたびにやっぱりいいなと思ってしまうシャツです。

来年20年目を迎えますが、ボロボロになってもアーカイブとして残していきたいシャツです。自分にとっては今まで着たカジュアルシャツの中で3本指に入る完成度の高いシャツ、それがこのAM NAPOLIのプルオーバーシャツです。

今日は何する?何着る?

365DAYS今日のVゾーン

2021

Autumn VOL.327

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