Cotton[コットン]
吸湿性が高い
比較的安価
吸水・吸湿性が高く、何より丈夫なコットン生地は、カジュアルなスーツやジャケットに向く、コストパフォーマンスの良い素材だが、シーアイランドコットンなど名のある高級生地も存在する。
[コットンツイル]
ドレス向けのコットン
綾織りの組織で多くは組織点が斜めの稜線を描く。チノクロスの例からもわかる通り、糸を密に打ち込んだものは必然的に耐久性の高さも生まれる。スポーティなドレス生地として春先から活躍する生地だ。
[コードレーン]
縦方向の畝が特徴
縦方向の畝を特徴とする組織で、凹凸感がありストライプ模様とセットになることが多い。涼し気な見た目や肌離れの良さから春夏生地の印象が強いが、地厚な生地も存在する。固めの肌触りも特徴。
[シアサッカー]
他にない爽やかさ
縦方向にサッカーじわという、波上のしわが現れた薄手の生地。肌に接する面が少ないため涼感に富み、春夏生地の定番として愛されている。ポリエステルをわずかにブレンドしたものも一般的だ。
[デニム]
カジュアルの定番
経糸にインディゴ染めの糸、緯糸に晒し糸を用い綾織りにしたデニムは、ワークウェアの定番生地。テーラードスーツやジャケットに用いられるものはジーンズのものより軽く品の良い表情のものが多い。
[コーデュロイ]
秋冬感の演出に最適
毛羽(毛房)が縦方向の畝となったベルベット織物で、古い言い方だとコール天とも。厚地で保温性に優れる。畝の太さは様々で、太いほどカジュアルな印象となる。見た目にもウォーム感がある秋冬素材だ。
Wool[ウール]
夏は涼しく、冬は暖かい
通気性が高い
服として形成しやすい
保温性、吸湿性をバランス良く備えるウールは万能の天然繊維。高番手から低番手まで自由に糸を作れる。アイロンで動きをつけやすいといった特性もまた、スーツ生地に最適と言われる理由だ。
[ツイル]
耐久性に優れる定番
綾織りの生地を指し、その多くは経糸の浮き(生地目)が斜めの稜線を描く。ギャバジンやサージが代表的。糸を密に打ち込めるため、耐久性に優れた組織となる。写真のヘリンボーンもツイルに属する。
[トロピカル]
清涼感のある夏用生地
梳毛を用いた軽量な平織り生地。目を粗くすることで風通しをよくし、さらりとした風合いに仕上げられている。熱帯の植民地向けに織られたことが名前の由来。トロの略称でも親しまれる夏の定番生地のひとつ。
[フレスコ]
通気が良く清涼感あり
日本ではポーラーの名称でも親しまれる強撚糸生地。2本以上の強撚糸を撚り合わせた糸を用いているだけあって、ハリコシが強く、また目が粗いため通気性に優れる。なおフレスコは英国企業の商標。
[フランネル]
秋冬の定番紡毛生地
ウールをフェルト状にし、起毛させた生地。綾織りに平織りと組織のバリエーションも豊富だが、霜降りのように白糸が混じっているものが一般的だ。風合いはソフトで弾力があり、優雅な趣に満ちている。
[ツイード]
ウォームな英国調生地
スコットランドやアイルランドの特産で、厳密には手紡績、手織りされたものを言う。経糸2本、緯糸2本を綾織りにしたものが王道で、ジグザグ模様が表面に表れる。温かみと武骨さが共存する風合いが魅力的だ。
[ウールモヘア]
独特のハリ感がある
アンゴラ山羊の毛、モヘアはウールよりも繊維が太くて長く、シルクをしのぐ光沢がある。ブレンドした生地は清涼感のある艶と強いハリコシを備える。春夏向きとされるが、秋冬にも広く用いられる生地だ。
[MEN’S EX Summer 2021の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み。