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真骨頂はなだらかなワインディングを流す時に

ベントレー フライングスパーのエンジン
最高出力635ps/最大トルク900Nmを発生する6リッターW12ツインターボを搭載。ZF製の8速DCTが組み合わせられる。

過日。W12ツインターボを搭載するフライングスパーを駆って、いつものように京都へのドライブを楽しもうと思ったのだが、良いクルマに巡り会うとどうしても余計に楽しみたくなってくる。京都への道のりに伊勢を加えて、フライングスパーを堪能しようと思い立つ。

いつになくウキウキとした気分で高速クルージングを楽しむ。12気筒エンジンの魅力は、もちろん持てる性能を解放したときのフィールにこそあるのだけれど、実は低回転域、つまりさほどアクセルを踏まずに静々と走らせるような場面における何とも言えない滑らかさにもあった。100km/hの巡航で1200回転と少し。その辺りの回転域を行ったり来たりする穏やかさが心地よい。これは12気筒エンジンでしか味わえないもので、新たに加わったV8エンジンとの最大の違いはそこにある。

三重県津市の老舗蛤料理屋で友人と待ち合わせた。旧市街地の細い路地にもためらうことなく入っていける。不用意に車体の大きさを感じさせないだけの一体感が、そこまでの400キロ程度のドライブで醸成されていた。

ふたたび高速道路をクルージングする。ここ一発の加速フィールもまたW12ならではだ。引き締まった筋肉が力を弾き出すかのような瞬発力を何度か味わうと、もうお腹いっぱいに。ダラダラと走るのも悪くないとばかり、走行車線を“キープ”する。

ベントレー フライングスパー
コンチネンタルGTと同じく、ポルシェも採用するVWグループのプラットフォーム(MSB)が用いられている。

フライングスパーの走りの真骨頂は、意外にも伊勢志摩パールロードのようになだらかなコーナーの続くワインディングロードにあった。もちろん激しく攻め込んでも期待には十分に応える実力の持ち主だが、そこは兄弟分のコンチネンタルGTに任せよう。フライングスパーの場合は、ワインディングロードをアクセルコントロールだけで駆け抜ける速度域を保って最高、である。

つまり流す、のだ。そのときこのビッグサルーンは凄まじいフラットライドフィールを、完璧に調教されたステアリングフィールとともに体験させてくれる。低回転域で心地よく唸るW12ツインターボエンジンと相まって、それはクルマ運転好きにとって“攻める”とはまた違う至福の時となりえる。

フライングスパーの走りには次世代に向けたクルージングファンの妙があった。そう得心して翌日、雨の中を京都へと戻った。雨天のグランドツーリングもまた得意中の得意である。

文=西川 淳 写真=橋本 玲 編集=iconic

<p>伝統的デザインを踏襲しつつ、センターのローテーションディスプレイ、液晶ディスプレイを用いたメーターパネルなども用いられている。</p>

伝統的デザインを踏襲しつつ、センターのローテーションディスプレイ、液晶ディスプレイを用いたメーターパネルなども用いられている。

<p>レザーやウッドが贅沢に用いられたインテリア。ダイヤモンドステッチを用いられている。</p>

レザーやウッドが贅沢に用いられたインテリア。ダイヤモンドステッチを用いられている。

<p>リアシートにもマッサージ機能が備わる。エアコンなどを調節する、中央部のタッチスクリーンは取り外し可能。</p>

リアシートにもマッサージ機能が備わる。エアコンなどを調節する、中央部のタッチスクリーンは取り外し可能。

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