ディーゼルっぽさはなく、拍子抜けするほどスムーズ
今回の試乗車だった「アルピナ XD3」は、日本に初めて導入されたアルピナ製SUVだ。BMWでいうところの「X3 M40d」をベースとしたモデルで、3リッター直6ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は333ps、最大トルクは700Nmを発揮する。
インテリアはブルーのメーターに、アルピナ定番のエルムウッドのトリムがアクセントとして配されている。実は握り心地にこだわりステアリングの太さ、ステッチに至るまで、BMWとは差別化されている。
足元は22インチサイズの20スポーク“アルピナクラシックホイール”に、タイヤはピレリ製P-ZEROを組み合わせており、これは相当ハードな乗り心地と身構えていたのだけれど、拍子抜けするほどスムースで驚いた。さすがに荒れた路面ではコツコツと突き上げを感じる場面もあるが、この見た目でこれなら文句も言えない。
エンジンもいわゆるディーゼルっぽさはない。そして1750回転から最大トルクを発揮するので、アクセルペダルに力をこめれば、体がシートに押し付けられるようにグイグイと加速していく。
ちなみにベースとなった「X3 M40d」の車両価格(マイナーチェンジ前)は878万円、一方のこのアルピナXD3は1115万円。性能はもとより、希少性、リセールバリューのよさなどいろいろなことを勘案すれば、決して高すぎることはないと思う。今春以降に国内に導入される最新仕様はベースモデルのBMWのアップデイトに合わせてマイルドハイブリッドの組み合わせになるという。
次回は、アルピナの本領発揮といえるD5Sについて取り上げる。
文/藤野太一 写真/デレック槇島、ニコルオートモビルズ 編集/iconic