ハイビートになった2つのキングセイコー(45KS&56KS)
1968年には、2つの画期的なキングセイコーのモデルが登場する。
まずひとつめは、キングセイコー初となる手巻きのハイビートキャリバー45系を搭載した「45KS」である。従来のロービートにくらべ、格段に振動数が向上した毎時3万6000振動(毎秒10振動)のムーブメントを採用。これにより精度がいちだんとアップした。
そしてもうひとつが、キングセイコー初の自動巻きで、こちらもハイビートのキャリバー56系を搭載した「56KS」。このモデルは諏訪精工舎が手がけた初めてのキングセイコーでもある。
これら2モデルは、これら2モデルは、より骨太で堂々とした風格を漂わせるスタイリッシュなデザインを備えていた。さらに特筆すべきは、この年に誕生した日本クロノメーター協会により、高精度の証となる“クロノメーター”の称号が国産時計として初めて与えられた。
またこの時期、45系・56系キャリバーとも、キングセイコー、グランドセイコーの双方に採用されたことから、GSは諏訪、KSは亀戸という垣根が取り払われることになった。