ロビーに隣接し、アーティストのアトリエがコンセプトのバー&ラウンジ「ウィスク」で供される、名作絵画をモチーフに考案したオリジナルのミクソロジーカクテルも秀逸だ。こちらは味覚はもちろんのこと、視覚でも楽しませてくれる。喫茶としての利用も可能なので、カフェ代わりに利用したり、至る所に電源があるためPCを持ち込んでリモートワークをしたりといった活用もおすすめだ。
また、一部客室にバルコニーがついている点も、都内のホテルでは希少。地上17階から26階に位置する浜離宮恩賜庭園をのぞむ客室のバルコニーから、東京の風を感じながら眺めるウォーターフロントと美しい夜景は、まさにここでしか味わえない絶景といえよう。
さらに生沼総支配人が必ず実現したかったというこだわりが、全客室にデジタルピアノを入れることだった。「これまで楽器に触れたことがない方のきっかけづくりとして、またオーディオ再生機能などを活用した大切な人とのひとときの演出として、利用していただきたいです。音楽は人生を豊かにしてくれますから」と語るように、単にBGMを流すのではなく、宿泊客自らが音楽を奏で、音を楽しむことができる。そうした体験はきっと今まで気づかなかった新しい世界への扉を開いてくれることだろう。
「本物を、そしていい仕事を届けたい」という生沼総支配人の思いはダイニングにも表れている。フランス語で美食を意味する「ガストロノミー」とカジュアルなレストランスタイルである「ビストロ」を掛け合わせた「ビストロノミー」スタイルのダイニング「シェフズ・シアター」は、ライブ感あふれるオープンキッチン仕様になっており、ダイナミックな調理を間近で見ることができる。
提供される料理はフレンチをベースに素材にこだわり、味の基本であるソースから丁寧に手作りをしている。“シェフの劇場”というレストラン名の通り、まるで舞台の演目を楽しむように一品一品ストーリーのあるコース構成となっており、ただ、流行に流されるわけではなく、基礎を忠実に守ったうえで料理人達が一丸となって新しい料理に挑戦しているのが、「シェフズ・シアター」のクライマックスでもある。この冬のディナープログラムは「Provence-南仏三大祭り-」と題して、ニースやコートダジュールに想を得た料理でコースを構成している。