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パニコ、ピロッツィetc.の初代エージェント 本城修一氏が語る
サルトのスーツが“一生残る”理由

サルトのスーツ
自身も膨大な数の仕立て服を所有する本城氏。こちらはその一部で、どれも30年以上前にス ミズーラしたものだ。ちなみに左からロンドンハウス(現ルビナッチ)、ヌンツィオ ピロッツィ、アントニオ パニコの作。

“確固としたオリジナリティこそサルトの服の価値”

長く着られるスーツとは何かと考えていくと、突き詰めればビスポーク職人が手仕事で作る一着ということになる。これらは使用する生地や副資材も最高級だし、芯地の据え付けひとつにしても手間のかけ方が桁違い。つまり、品質面において極上という点が長持ちする理由のひとつだが、加えて重要な要素に“スタイル”がある。

サルトのスーツは流行ではなくスタイルを追求するものゆえ、時代を超越した普遍性を備えるという考えだ。この点について、アントニオ パニコやヌンツィオ ピロッツィなどを日本に紹介した功労者である本城氏が興味深い意見を聞かせてくれた。

「普遍のスタイルというと、時を経ても全く変わらないものというように捉えられがちですが、実はサルトの服も時代によって、ラペル幅やゴージ位置などは変わります。流行を追うことはなくても、時代からの影響は当然受けるというわけですね。そのうえで申し上げるなら、サルトの服ならではの特色といえるのは“オリジナリティ”が根幹にあること。

マスプロダクトの服は大なり小なり“流行っているものの模倣”にならざるを得ない面があります。しかし、一流のサルトが仕立てる服は常に、彼らにしかできない確固たるオリジナリティがある。流行の模倣は時代が過ぎると無価値になってしまいますが、オリジナリティの価値は不朽。だからこそサルトの服は一生所有するに値するのです」

10年、20年と輝きを失わないスーツ。これぞある意味、究極のサスティナブルといえるだろう。

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