モーターを利用したウルトラスムースな加速
パワートレインは、最高出力367ps、最大トルク500Nmを発揮する3リッター直6ターボエンジンと9速ATのあいだに最高出力22ps 、最大トルク250Nmを発生する電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねるISGを組み合わせたもの。
エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップからの再スタートもスムースに、エンジンが低回転時には、その電力を利用して加速をアシストしてくれる。そもそも直6エンジンの素晴らしさもあって、ウルトラスムースに加速する。
もちろんアクセルを深く踏み込めば速いけれど、変速は頭のいい9速ATにおまかせしてゆったりと走るのが似つかわしいと思う。
足回りはエアサスペンションを標準装備しており、その上質な乗り味をさらに際立たせている。コンフォートモードからスポーツモードへ切り替えても過度にかたくなることはなく、ハーシュネスもうまく抑えられているし、メルセデスらしい素直なハンドリングは健在だ。
またオフロードモード選択時は自動で車高が上がり、さらに、大きな段差などを通過するときには、センターコンソールのスイッチで約60mm車高を上げることも可能だ。
安全運転支援システムももちろん最新バージョンにアップデイトされており、全方位での正常進化を遂げている。都市部での立体駐車場には制限がありそうなボディサイズと車両重量(約2.4トン)だし、せっかくの乗車定員や荷室容量、そしてロングドライブにもオフロードにも適した性能の持ち主であり、本来はアウトドア向けの正統派SUVのはずなんだけれど、Gクラスしかり、それでもきっと都市生活者に支持されるのが、メルセデスたる所以なんだと思う。
文/藤野太一 写真/柳田由人 編集/iconic