完成したスーツはどんなものでしたか?
作ったのはドーメルのスポテックスの生地を使った3ピース。学校生活の一番、最後に作った思い出の一着です。英国調もカッコよかったけれどイタリアの仕立てに興味が強かったので、それっぽく作りました。このころ、(学校から近かった)新宿伊勢丹に行けば優れたスーツを多く見ることができたので、よく足を運んだなあ。お店の人にしてみれば、買わないのにうろうろしてお邪魔だったでしょうね(笑)。
そうしてメンズの基本を習得されて、いよいよ就職ですね。
就職活動が始まり、落合先生の本でもよく紹介されていた神戸のコルウで働きたいと思い、在学中に弟子入りをお願いしました。その一方で、どうしても一度はイタリアの仕立てを直接学びたいとの思いもあって、卒業後、短期間、イタリアで仕立てを教わりました。日本人がまったくいない地域だったので、その間は日本人に一人も出会わず(笑)。イタリア語がまったく話せなくて、仕事に必要な言葉だけを必死で覚えたんです。イタリアでは、仕立ての技術だけでなく、指導してくださった方の美学を教わったといいますか。洋服に対する考え方まで学ぶことができました。
齋藤さんの思い出の洋服たち
後編に続く
撮影/小澤達也(Studio MUG) 取材・文/川田剛史









