ゆったりした走りのヘビーデューティモデル
その乗り味は、北米モデルらしいゆったりとしたものだが、そこに、曖昧さはなく、かといってスポーティとも言えず……といった、国内のSUVが捨て去ろうとしているヘビーデューティモデルらしさ、SUVらしさがあった。
パワーユニットは国内導入にあたっては2.7リッター直4ガソリンも考えたそうだが、4リッターV6ガソリン(レギュラー仕様)とし、5ATを組みわせた。日本仕様はパートタイム4WDのみ。4WDに切り替えるとドライ路面では曲がりづらいというウィークポイントが現れるが、スノードライブはもちろん、ローレンジ、さらにトラクションコントロール(A-TRC)やリアデフロックによって、ハイレベルなオフロードをも走破できることをアドバンテージとしていた。
もちろん、個性の強いモデルゆえにウィークポイントも数多くある。リアシートへの乗り込みはフロントドアを開けてからリアドアを開けるというひと手間が必要になるし、リアシートのサイドウインドウが小さく閉鎖的な印象を受ける。また、遊び心あふれるインテリアデザイン(テクスチャー含め)は、見方を変えるとチープと表現したくなる人がいるかもしれない。しかし、キャラクターをとるのか、それとも実用性や質感を優先するかは、ユーザー次第。そんな賛否があるのも個性の強いモデルゆえのことだ。
個人的には、そのコンセプトからデザイン、そしてハンドリングから乗り味、さらにはオフロード走破性まで、今でも高く評価しているし、所有してもいいと思ったモデルだ。世間ではあまり高く評価されていないが、オフロードパッケージと呼ばれるグレードが好きだった。ビルシュタインダンパーによって、オンロードではハンドリングに明確さが現れ、オフロードでは多少スピードを上げてのダートランに対応できるというポテンシャルがあったからだ。
アメリカでは販売不振によって2014年に販売終了。メインマーケットの失速(終了)により、ほかのマーケットでの販売を続けることも難しくなり、その個性あふれるSUVというポジションを、ハイラックスピックアップトラックに譲り、2018年に国内での販売を終了した。
中古車マーケットでは、ご想像のとおり高値で取引されており、特にファイナルモデル(限定・約350万円)においては新車価格を上回る個体もあるほど。ただし、ランドクルーザープラドとプラットフォームを共用していること、つまり、それはタフであることを意味し、長く乗れることに繋がると考えると、その割高感も消え去る。
文/吉田直志 編集/iconic






