「波もない極寒の海をパドリング 洗濯機並みのもみくちゃ感が好き」(末續さん)

丸山 僕は敏感すぎて、レストランのテーブルの傾きや散髪中の左右差も瞬時にわかっちゃう。「ズレてるまま、カット終わらせるつもり!?」と気になって仕方がない(笑)。
末續 敏感すぎるのも困りものですよね。僕は陸上大会の場合、直前に会場入りして終わったら即帰るようにしています。会場に渦巻く選手たちの「勝ちたい」という気持ちを敏感に感じ取ってしまうので。1番でない限り、表彰式にも出るのも苦手です。
丸山 帰ったらどうされるんですか?
末續 もちろん、スターバックスに直行です(笑)。
コケたっていい。ストイックな陸上のイメージをぶっ壊したい
丸山 休日はどう過ごされますか? 最近ゴルフも始められたとか。
末續 今は練習場で無心に振っているのが楽しい状態。そこに自我や競争心が絡んでくると、自分を苦しめてしまうので気軽に楽しんでいます。
丸山 ラウンドも楽しいですよ。先程はサーフィンのお話も出ましたが。
末續 自粛前は真冬も海へ通っていました。極寒の中、波もないのにひたすらパドリングして、ローカルサーファーに「馬鹿なんじゃないの?」と笑われたりしています。
丸山 寒そう〜!
末續 何かと対峙するのが好きなんです。洗濯機の中でもみくちゃにされるように、波に飲まれることもあります。悩んだり疲れたりしているときは全く乗れませんね。
丸山 ご自身を知るバロメーターにもなっているんですね。聞くところによると、サーフィンには様々なルールが存在するとか。
末續 波に乗る順番が決まっていたり、ローカルルールがあったりします。他方、誰でも歓迎してくれるメロウでロハスな海もある。どんな海かはひと目で何となくわかりますね。
丸山 サーフィンは波を待っている時間がいいと聞きます。
末續 はい、ただ、ぼーっとしています。丸山さんは観察眼が鋭いので、サーフィンに向いているのでは? 波の質もすぐ覚えてしまうと思いますよ。
丸山 あのボードのこの角度が……と気になっちゃいそう(笑)。
[MEN’S EX 2020年8月号の記事を再構成]
撮影/筒井義昭 スタイリング/松純〈丸山さん〉森岡 弘さん〈末續さん〉 文/間中美希子