比良山荘(滋賀・ジビエ料理)
滋賀が誇るジビエの名店といえば、比良山荘。春は花山椒鍋、夏は鮎、秋は松茸、冬は熊肉と、日本の四季の移ろいを体感できる店だ。ジビエを知り尽くした3代目当主の伊藤剛治氏は、「人間が管理できない天然のものほど、当たり外れの大きいものはありません」と語る。
イノシシ鍋は、1959年の創業から出し続けているため、長年の信頼関係から、店に届くのはもちろん極上物ばかり。ジビエといえば、冬のイメージがあるが、実は年間を通して楽しめるがイノシシ肉。とはいえ、つい数十年程前までは、なかなか獲れない貴重な肉だったとか。「イノシシ肉に関する最古の文献は、400年ほど前、豊臣秀吉が精力をつけるために食べた、と言う記述があります。今の時期、イノシシ肉で、しっかり体力をつけて乗り切っていただければ」(伊藤氏)。
今回、初夏の期間限定で生み出したのが、今の時期ならではのじゅん菜とのコンビネーション。「冬にしかイノシシを獲ることが許されなかった数十年前までは、味わえなかった組み合わせ」で、暑さに向かう今の時期でもスルスルといただける。そこにさらに、わらびや破竹、白ずいきや壬生菜などの野菜をたっぷり入れていただく野趣溢れる鍋だ。
そして、これまで、来店者の持ち帰りなどにも出さず、門外不出だった出汁も付いてくる。実はこの出汁、伊藤氏の独自のアレンジが生きている。「団欒しながらいただく鍋、特に自宅では、どうしても長時間になりがち。でもうちの出汁は煮詰まってもしつこくならない。少し甘みのある醤油ベースですが、実は、砂糖もみりんも使わず、はちみつを使って甘みを出しているからなんです」とその秘密を教えてくれた。昔に比べて、イノシシの頭数は増加傾向にあるそうなので、サステイナブルな肉であるとも言える。「近年、イノシシは害獣として駆除されることが多いですが、丁寧に処理して、その命を美味しくいただくことも、これから私たちが考えて行かなくてはならないことではないでしょうか」と伊藤氏。身体にも環境にも優しい、自然が生み出した極上のイノシシ肉、初夏ならではのじゅん菜と合わせて、現代に生まれた幸せを噛み締めつついただきたい。
・猪のじゅん菜鍋(2~3人前)1万5000円 (税込、送料別)
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