「パティーヌ」が生む唯一無二の佇まい
どこにも真似できない、独創的な色、艶、ムラ。これらを生み出す「パティーヌ」の技法は、’80年代にオルガ・ベルルッティにより確立された。
唯一無二の色はアンティークの風合いに喩えられることもあるが、そこには「履きならした靴ほど美しいものはない」という氏の思いが息づくからなのかもしれない。パティーヌの職人たちはその思いを継承し、天然顔料、染料等を、ブラシ、布きれ、スポンジ、綿棒などさまざまな道具を使って、まるで一点物の絵画を描くように個性を与えていく。
スクリットもパティーヌも多彩で個性ある王道に
2005年に初めて鞄を世に送り出し、パティーヌによる絶妙なグラデーションカラーで、ラグジュアリーバッグの新境地を開いたのは言うに及ばず。渋みと華が両立したネイビーの同作は、人気の型「ドゥジュール」に初めて斜めにスクリットを施した新作。
本流こそが手に入れるべきものであると考える王道志向の男にとって、王道を伝える弊誌が右頁大タイトルを唱えることに少々驚くかもしれない。しかし事実である。じつは今、意識が高い男たちの鞄への注目度が高く、靴を凌駕するほどの人気というのだ。右の通り本格靴工房として培ったアルチザンの魂は鞄にも息づき、服も展開するブランドだけにファッションとの相性もいい。それをパティーヌやスクリットという「わかる人にはわかる」華で、いいモノ好きをくすぐるのである。王道志向の性として“といえば”な靴にとらわれがちだが、今それは過去のジョーシキと言わざるをえないのだ。






