長く愛される名画の登場人物にリアリティと深みを持たせるアイコニックなアイテムやコーディネート。それらは時にストーリー以上に鮮やかに記憶に刻まれる。クラシックな要素を取り入れることが洒脱とされる今、印象的な紳士を目指すならここから学ぶことは多い。
【#おうち時間充実計画】/映画とファッション #23
名画の“象徴”から学ぶ洒脱の演出
『幸せはパリで』

『幸せはパリで』
ジャック・レモンがうだつの上がらない証券会社の社員を演じ、カトリーヌ・ドヌーブ演じる美しい社長夫人と恋に落ちる様を描いた1969年のアメリカ映画。バート・バカラックの美しい楽曲も愛される、ラブコメディの名作だ。
綾の急角度なツイル地をギャバジンといい、中でもベージュやオリーブといった淡色系のウールギャバジンは、特別な存在として世の洒落者たちに愛されてきた。映画『幸せはパリで』の劇中でジャック・レモンが見せた着こなしは、そのお手本として語り継がれるものである。
三枚目の役を演じる彼が自然体で着てみせたのは、アイビー風の一着。親しみやすさのある寛いだ雰囲気は、紺色では決して表現し得ないものだ。
一方でその風合いには、コットンギャバジンにはない品格がさらりと宿る。今これを装うなら、イタリアの軽快な仕立ての一着がもってこいだろう。
まさしく“寛ぎと品格を両取り”した本スーツ。ビジネスパートナーとの距離を縮めるのにも一役買うはずだ。
「ウールギャバジンスーツ」で寛ぎと品格を両取り
DE PETRILLO / デ ペトリロ


ナポリの名ブランドより、柔らかな仕立てのウールギャバジンスーツ。ギャバジンの淡い光沢が、ドレープの美しさを際立たせる。
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[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)