長く愛される名画の登場人物にリアリティと深みを持たせるアイコニックなアイテムやコーディネート。それらは時にストーリー以上に鮮やかに記憶に刻まれる。クラシックな要素を取り入れることが洒脱とされる今、印象的な紳士を目指すならここから学ぶことは多い。
【#おうち時間充実計画】/映画とファッション #17
名画の“象徴”から学ぶ洒脱の演出
『ゴールデンハンター』
『ゴールデンハンター』
NATOの将校にして好色漢の主人公をマルチェロ・マストロヤンニが演じた、1965年製作のイタリア映画。「不能」に陥った主人公があるきっかけから次々と危険な情事に没入していく様子と、その顛末がコミカルなタッチで描かれる。
今再び注目されるシングルモンクもまた、クラシックが薫る靴である。そしてこれのお手本といえば、『ゴールデン ハンター』の主人公を演じた、M・マストロヤンニの装いだろう。
彼はアイボリーのスーツに白シャツ、黒タイというシンプルなコーデに、シングルモンクを合わせている。もしこれがプレーンな紐靴なら装いは味気なくなったろうし、ブローグ靴では浮いていたはずだ。
そう、シンプルな装いへ洒脱を添えるのに、シングルモンクは実にちょうどいい存在なのだ。マイルドな色のパンツと相性がよく、上品かつ適度にレトロな趣を加えてくれる。
「再燃レトロ靴×上品パンツ」こそ“ミドル”に馴染む伊達の正解
【Single Monk Shoes】
CROCKETT & JONES / クロケット アンド ジョーンズ
スマートなラウンドトウの♯341木型を用いた「マルバーン」。7万9000円(ビームス 六本木ヒルズ)
EDWARD GREEN / エドワード グリーン
美しいスキンステッチがあしらわれた、♯82木型の「クラップハム」。20万6000円(トレーディングポスト青山本店)
F.LLI GIACOMETTI / フラテッリ ジャコメッティ
履き口が広い、リラックスした顔立ちの本作は、スリッポン設計の木型がベースだ。9万5000円(ウィリー)
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[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)