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こんな時代の先輩のあり方

服飾変態の“いい先輩”への道

ただ、そこで先輩風を吹かすのはどうかと思う。職場から一歩離れたら年齢、性別、肩書きを超えて対等な関係でいたい。後輩を前に別に威張る必要もないし、逆にこびることもない。いたってフラットに飄々と。それでも後輩はレストランで、バーで先輩の一挙手一投足を観察してるに違いない。「あっ、シャツの左脇下にイニシャルの刺繍が」「あれ、なんであんなに動き回っても靴下がずり落ちないんだろう」「おーっ、ブランデーをダブルでロックで飲んでるよ。カッコいいな」「うあっ、どんなに深酒してもネクタイを緩めないや、スゲェー」「あんな硬くて重そうな革(ブライドルレザー)バッグをよく持ち歩くな」などなど……。

きっと、カットソーにストレッチ素材の楽ちんセットアップスーツの後輩の目からしたら、この昭和の服飾変態な先輩のやることなすことが新鮮なコトとして映り、一目置くはずだ。黙して語らず。

服飾変態のイタイところは、聞いてもいないのに自ら必要以上にペラペラと自身のこだわりというやつを語りたがること。ま、それも楽しいんだけれど、後輩から一目置かれる先輩としては敢えて木村拓哉のようにぶっきらぼうな口調で「オレ、あんまし詳しくねーし」とうそぶいてみる。ホントはメチャ好きもんだし、なんならベア柄の可愛い真っ赤なトランクスも自慢したいとこだけどね。「いやいや、ホントは詳しいですよね? 先輩のその格好は只者じゃないもん。教えてくださいよー」

後輩からこう言わせたらしめたもの。ガツンと調教してあげよう。ただし、それもクールビズ前の今だ。ノータイになると途端に威厳がなくなるからね(汗)。

絵と文・綿谷 寛

小誌の企画がきっかけで、バタクの中寺さんに念願のドレープスーツを仕立てていただいた。”手ぶらが似合う夜遊びスーツ”というボクの意図を汲んでいただき、とても堅気とは思えない、でもチャラくない絶妙な仕上がりに大満足。あとは遊びの軍資金を画策だな。



[MEN’S EX2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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