デザイナーが築く名画の中の衣装世界映画内でこだわって表現された各時代の洒脱な登場人物の着こなしからウェルドレッサーのエッセンスに触れる。
【#おうち時間充実計画】/映画とファッション #09
ウェルドレッサーのヒント『グレート・ギャツビー』
『華麗なるギャツビー』
世界恐慌に向かう危うさをはらみながらも熱気に満ちた1920年代のアメリカを描いたF・スコット・フィッツジェラルドの小説をロバート・レッドフォード主演で映画化。アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞。1974年公開。
’20s『華麗なるギャツビー』× ラルフ ローレンに見る
“エレガント”なウェルドレッサー
米国紳士が最も華やかだった黄金期の着こなしに触れる
かつて5回も映画化された米国の国民的物語『華麗なるギャツビー』。だがとりわけ有名なのは、ラルフ・ローレンにより衣装を手がけられたものだろう。物語の舞台は“狂騒の1920年代”。米国ダンディズム黄金期の華やかな衣装世界が“華麗”に表現されている。
ギャツビーがヒロインと再会するときの装いはその最たる例。銀色のシャツに金色のタイ、そして白のフランネル服と描写された原作の着こなしを、上写真のように表現した。
迫力のあるワイドなラペル、極めてドレッシーなラペルつきダブルベスト、2タックインプリーツでたっぷりとしたパンツ。そのスーツは英国上流階級風で、ブリティッシュアメリカンスタイルを世に広めたラルフ・ローレンの持ち味が十二分に発揮されている。
そして、カラークリップで持ち上げられたタイや白靴と、その優雅さの表現は完全無欠だ。その衣装世界では“男性服のエレガンスの一つの理想形”に触れられる。
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[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)