スカイアクティブXにはそれだけの価値がある
と、個人的な想い入れもあってマツダ3に対する評価は高いが、想い入れがあるからこそ、厳しい目を向けたくなるところがあった。ひとつ目は215/45R18サイズのタイヤがもたらす乗り心地の硬さとロードノイズの大きさだ。段差のあるシーンでキャビンへダイレクトに伝わってくるゴトンというフィーリングは、特別なモデルに乗っている気分に水をさしてしまう。ちなみに、マツダ3ではボトムグレードの1.5リッターガソリンエンジン搭載モデル以外では、すべてこの18インチを標準装備しており、理想を追求するスタンスは高く評価したいが、改良モデルに快適性の向上を求めたい。
もうひとつは、リアドアのグリップ(アウター)のフィーリング。グリップを引いた時のフィーリングに剛性感が乏しいし、引き切った際にドアパネルに響く共鳴音はチープさを感じさせ、盛り上がった気分をこれまた冷やしてしまうもので、正直、がっかりを覚えた。もちろん、対策できるレベル。改良はコストや重量増を招くことは承知の上だが、理想を追求するならば、中途半端は御法度だ。
ちなみに、スカイアクティブX搭載モデルの価格については、高過ぎやしないかといった意見もあるが、個人的には不満とは捉えていない(購入できるかどうかは別にして)。スカイアクティブGと呼ばれる2リッターガソリンエンジン搭載モデルと比較すると約70万円の価格差があるが、僕はあのフィーリングに対して、そして新しい技術に対して、価値があると思った。
と、長々とマツダ3を絶賛し、そして厳しい意見も述べてきた。もし、あなたが、この長文を読み切って、そして、どこか少しでも惹かれるところがあったならば、試乗してみることをオススメしたい。手に入れたくなるはずだ。
※表示価格は税抜き
文/吉田直志 写真/郡 大二郎 編集/iconic