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加藤 今の若い社員を見ていて、感じることはありますか?

宮河 とにかくおとなしい。「もっとはみ出してもいいんじゃないの」と思いますよ。あと一流の営業マンは一流の開発マンにもなれるわけで「今の部署だから能力が発揮できないんです」ってことはあまりないよね。

加藤 思考の切り替え次第で、どんな環境も自分のものになるということですね。とはいえ、宮河さんは新しい環境や部署に飛び込むときに恐怖心とかはないですか?

宮河 「どんなところなのかな」とちょっと覗きには行ったりして、探りは入れます。僕、人見知りなので(笑)。

加藤 それは絶対嘘です!(笑)

宮河 いずれにしても、スーツを着て、大人っぽくて、理論的で、物静かに語る経営者って本当にすごいなって思う。僕は逆立ちしてもなれないけど(笑)。

加藤 今日着ていらっしゃるパックマンとチャンピオンのコラボフーディもとても素敵です! ところで御社は海外市場も大きいと思うんですが、世界的な戦略についてはどう掲げていらっしゃいますか?

宮河 当社のゲームはタイトルによっては日本のシェアが20パーセントしかないものもあるので、海外市場云々というより、常にワールドワイドな目線で物事を考えなきゃいけない。僕は今「自分はより市場が大きいアメリカにいるべきなんじゃないか」ってことすら悩んでいます。そういう意味で日本でもアメリカでもヨーロッパでもアジアでも、全ての国の社員たちには「ワールドワイドでものを作り、販売してほしい」と言っています。日本人やアメリカ人がどうこうって意識は全くないし、僕自身も週末はほとんど海外なので、国ごとの温度差は全く考えない。ゲームの中身にしろ「これは日本人向けに作りました」ってものはなくて、変えているのは言語だけなんです。

加藤 半歩先の提案にしても、国が変われど同じでいいんですね。

宮河 インターネットの時代になって全世界でテクノロジーの差がほとんどなくなったので、国ごとで考える必要がなくなったよね。しかも個人が配信したものにも全世界が反応する時代になって、その中で「プロのほうが面白いよね」って思わせるのは僕らの力にかかっていると思う。逆に面白い個人の発信者を見つけて、一緒に組むこともできるじゃない。そういう意味で企業は大変になるけど、僕は時代的には面白いと思う。とにかく保守的にならないことだね。自分の立場なんて守ったところで大したものじゃないんだから。

加藤 ほとんどが保身に回る時代に、宮河さんの姿勢は世の上司に共有してもらいたい……。私も守りに入らないようにがんばります!

カトMEMO

  • 時にビジネスにおいても勘に頼ることは必要
  • エンターテインメントには「棘」があったほうが良い
  • リーダーは旗振り役。具体的なプランとゴールを示すことが大切
  • 反骨精神が新しい企画、ビジネスを生み出す
  • 真の“消費者のため”は何か、問い直すことが求められる
  • 日本に根付いている“こだわる職人技”は世界に通用する。ワールドワイドでビジネスを考える

スペシャルフォトギャラリー

[MEN’S EX 2020年4月号の記事を再構成]
撮影/前 康輔 スタイリング/後藤仁子 ヘアメイク/野口由佳 文/岡田有加(Edit81)

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