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「各ブランドが今季、こぞって提案する一大潮流です」
(中村さん)

M.E. 連載第二回のテーマは「グリーンのスーツ&ジャケット」。コンサバなM.E.にとっては、かなり目新しく感じますが、お二人が注目される理由はどこにあるのでしょうか?

中村 ひとつの背景には、今季リネンアイテムが例年以上に増えているということがあります。ウールなどよりも色ものの提案がしやすい素材ですから、スーツやジャケットでも、ネイビーやグレー、ブラウンといった定番色以外の打ち出しがしばしば見られるようになりました。 その中で最も多かったのがグリーンなのです。

西口 今季はグリーンという色自体が注目されていますから、これは自然な流れですね。スーツやジャケットの場合、リネン、サマーウール、モヘアなどの素材で表現されることが多く、グレーがかったもの、青緑っぽいものなど、様々なトーンが提案されています。

M.E. 最近は’80~’90年代のリバイバルが旬になるケースも多いですが、グリーンが以前ブームになったことはあるのでしょうか?

中村 私がビームスに入社した’80年代までを振り返っても、グリーンのスーツが流行ったなんてことはなかったと思います。ただ、グリーンというカラー自体は、’80年代において実は大定番の色でしたね。

M.E. そうだったんですか!?

中村 当時はグリーンのラムズウールセーターが定番アイテムだったのです。なかでも“ダートマスグリーン”と呼ばれるブリティッシュな色のセーターは、どんなスタイリングにも合う万能アイテムとしてお馴染みだったのです。

M.E. グリーンが定番色とは、今の捉え方とはかなり違いますね。

中村 そうですね。しかし、その後はグリーンのアイテムが注目されることはありませんでしたので、今年は久々のグリーン復権というわけですね。

「スーツの新しい可能性をグリーンを通してご提案したいですね」
(西口さん)

西口 実は昨シーズン、先駆け的にグリーンのスーツを少しだけ展開していたのですが、これが大変好評でした。お客様の目にも、突飛な提案には映らなかったということでしょうね。

M.E. なるほど。ところで、新しいものだけにどう着こなすかが気になるところですが、ポイントをご教授いただけますでしょうか?

中村 最もベーシックで簡単な合わせは、無地の白シャツまたは青シャツに紺無地タイというコーディネートですね。ただ、それだと提案性が少ないかなと思いまして、今回はより時代性を取り入れた着こなしを考えてみました。合わせるアイテムを同系色でまとめるほか、グリーンと相性のよい黒を使うのもいいですね。

西口 私は個人的に、グリーンスーツはカジュアルに着たいと思っています。最近はドレススタイルのカジュアル化が世界的に加速していて、いわゆるビジネススーツ的なトレンドは生まれにくくなっています。しかし、だからといってスーツの提案を放棄してしまうのはもったいない。ですから、新しい可能性として、よりカジュアルに着るスーツをご提案したいと思っています。グリーンスーツの打ち出しには、そんな思いも込めていますね。

中村 職種によっては、グリーンスーツにカットソーを合わせて夏のビジネスに、なんて活用もアリでしょうね。

M.E. なるほど。確かに新しい可能性を感じさせてくれますね。

中村 実はグリーンのスーツ&ジャケット、次の秋冬も継続しそうです。今季限りの流行りものではないということですね。ですから、この機に是非、ワードローブに加えてみてください。



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[MEN’S EX 2020年4月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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