『ジェイエムウエストン ファンデーションアワード』から、名靴の真価を再認する
日本の留学生靴職人名作「180」を作り、感じる
インターンシップ生
なるは リー・センファさん
ヒコ・みづのジュエリーカレッジシューメーカーコースの3年生。卒業後は国内のシューメーカーに入社し靴の企画に携わる予定だ。
手間と時間を惜しまない美しく堅牢な靴作り
職人仕事とその継承を尊ぶことで知られるフランス。同国を代表する老舗シューメーカー、ジェイエムウエストンも、職人の技術訓練を様々な形で支援する。
その1つが、国を超えた次世代の靴職人の育成と交流を目的として行われる、日・仏間の職人の交換留学生制度「ジェイエムウエストン ファンデーションアワード」だ。
このプログラムでは、日本からの職人が留学生として2ヶ月間、同ブランドの本国工場の現場で研修を受け、靴作りのノウハウを学ぶ。その卒業制作の課題となるのが、同ブランドを語る上で欠かせない大名作「180」の製作なのだ。
そして今回、実際に日本から研修生として参加したリーさんは「180」の製作を通して再認したその真価をこう語った。
「何より印象的だったのは、製作作業がとても丁寧でステッチ1つ見ても非常に端正なこと。また、パーツについても一般的に使われるものではなく独自に製作したものを用いるなど、コストと手間を惜しまない姿勢に、物作りの哲学を感じました。そうした手間と時間が『180』には込められています。それこそ、美しい見た目と快適で長く履ける靴作りの真髄ではないかと実感しました」。
なるは リー・センファさんが参加した
J.M. WESTON FOUNDATION AWARDS 2019とは
フランス国家公認の職人組合「コンパニオン・ドュ・ドゥヴォワール」と提携し、日仏間で靴職人の交換留学を行うインターンシップ制度。
「日本からの留学生はジェイエムウエストン本社の工場へ、フランスからの留学生は、スコッチグレインの工房やビスポーク靴職人・福田洋平氏の工房で2ヶ月間靴作りを学び、最終日には自身が製作した靴の発表セレモニーを行います。職人の手仕事や技術を伝承することに価値を置くこのプロジェクトでは、双方の文化や技が混ざり合い、互いに良い影響を与えあうこととなるのです」(ティエリーさん)
J.M. WESTON CEO
ティエリー・オリエさん
ジェイエムウエストン フランス本国のCEO。今回のインターンシップ制度の意義や、その目指すところを上のように語って頂いた。