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都会では味わうことのできない、
最高のロケーションでふるまわれる至福のジビエ

メインダイニングの「ブレストンコート ユカワタン」は、木立に囲まれひっそりと佇む一軒家レストラン。日本人ならではの感性を生かした、繊細で滋味深い“ニッポン・フレンチ”を提供している。食前酒を楽しむアペロは、寒くないように配慮されたこたつ風のテーブルで、満点の星のもと、森に囲まれた屋外で提供される。一方、店内は静謐な雰囲気の中で、とびきりの美食と美酒に酔いしれることができる安らぎの空間だ。特に冬の幻想的な銀世界をひとたび見ると、この地がなぜ古くからたくさんのセレブリティたちに愛されてきたのか、その歴史にもうなずけてしまう。

今回ご紹介する「王様のジビエ」は、全9品からなるディナーコースの中の、前菜「パテ・ド・ロワ」とメインの肉料理「野兎のロワイヤル」の2品。食材の仕入れが困難であることや、出来上がるまでに多くの手間と労力、時間をかけることが、贅を尽くした王様のための料理と言われる由縁だという。

「パテ・ド・ロワ」は、鹿や猪、山鳩といった4種類以上のジビエを、トリュフやフォアグラ、フルーツと一緒にミンチ状にしてパイ生地で包み、2時間かけて焼き上げたもの。王様の冠を模したパイのままテーブルへサーブし、目の前で切り分けてくれる。ドラマティックなパフォーマンスと、切り分けた瞬間にお目見えする繊細で美しいパテの断面に、心踊らずにはいられないだろう。丁寧な火入れによってクセがなく柔らかな肉質を味わえる鹿や、口どけの良い猪、一方でガツンとした旨味が広がる山鳩―――。トリュフやフォアグラの持つ香りと融合することで、他の肉では味わえない複雑な味の変化をこの一皿で堪能できてしまう。

「野兎のロワイヤル」は、かの太陽王ルイ14世のテーブルにも並んだと言われる、古典フランス料理の中でも最高峰の逸品。調理が難しいとされる“ジビエの女王”野兎の肉でフォアグラやトリュフを巻き、丁寧な火入れと長い時間をかけて、とろけるほど柔らかく煮込む。1日置いて味を落ち着かせるというから、手間のかけ方も「ロワイヤル」の名に恥じない。芳醇な香りの濃厚な赤ワインソースが全体を覆う。

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