ライター・ツルハラ 2モデルでは、打音がぜんぜん違いますよね。
奥嶋プロ 「ゼクシオ イレブン」は、従来からのゼクシオらしい爽快な金属音。いかにもフェースが弾いて飛んでくれてそう。「ゼクシオ エックス」は引き締まった打音で、こちらはフェースにボールがくっついているようなフィーリングがあります。
ライター・ツルハラ 「ゼクシオ エックス」は、アスリート好みの打感に仕上げられていますよね。
奥嶋プロ 打ち出し角やスピン量は、2モデルでほどんど同じ。ロフト角9.5度のモデルでも、打ち出しからよく球が上がり、スピン量は2300〜2500回転に収まっていて、ちょうどいい。ヘッドスピード40m/s前後で打ったときに、最適な弾道で飛ばせるように作られていると思います。さすが、ゼクシオです!
ライター・ツルハラ 計測数値を見ると、「ゼクシオ イレブン」のほうが、ボール初速が出ていて飛んでいますね。
奥嶋プロ ボール初速の違いは、シャフトの長さとクラブ重量によるものだと思います。「ゼクシオ イレブン」は45.75インチ、「ゼクシオ エックス」は45.5インチ。そのうえ「ゼクシオ エックス」のほうが、クラブ総重量は約15グラム重くなっています。同じ感覚で振っていても、「ゼクシオ イレブン」だと自然とヘッドスピードが上がって飛んじゃうんですよね。
ライター・ツルハラ 数値だけを見比べると、「ゼクシオ イレブン」のほうが飛ばせていて良さそうに思えますが、実際どうですか?
奥嶋プロ 「ゼクシオ イレブン」は、ヘッドスピード40m/s未満の人向けかなと。しっかり振りたい人には、やはり重めの「ゼクシオ エックス」をオススメしたいです。ヘッドスピード42m/sまでは適応すると思いますよ。それと、「ゼクシオ イレブン」はフックフェースになっているので、普段から左へのミスが多い人にはオススメできません。スライサーじゃなければ、スクエアフェースの「ゼクシオ エックス」がいいでしょう。
ライター・ツルハラ どちらのモデルもスイートエリアが広いですよね。芯を外したときでも飛距離が落ちづらく感じました。最新のゼクシオには、フラットカップフェースという新しい偏肉設計のフェースが採用されています。その効果は高いです。
奥嶋プロ 2モデルともに、ほどよく球がつまかるし、やさしく打てる性能です。従来のゼクシオに物足りなさを感じていた人には、新たな派生シリーズの「ゼクシオ エックス」は要注目モデルですね。これまたヒットしそうですね〜。
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奥嶋誠昭/おくしま・ともあき
JGTOツアープレーヤー資格を持ち、プロコーチとしても活躍中。横浜市都筑区にあるヒルトップ横浜クラブ内の「ノビテック・ゴルフスタジオ」でヘッドコーチを務め、弾道計測器フライトスコープ、3DモーションキャプチャーGEARSなどの最新機器を使ったレッスンをアマチュアにも展開中。
http://www.nobby-tech.co.jp/swinggear/
鶴原弘高/つるはら・ひろたか
雑誌やウェブで多くの記事を手掛けるゴルフ専業のライター。もちろん自身も大のゴルフ好きで、最新ギアも大好き。オフィシャルハンデは7。ゴルフギア情報を発信する会員制サイト「3up CLUB」のキャスターも務めている。
https://3up.club
文/鶴原弘高