まずは初代レガシィに再会!
今回のドライブツアーは、千葉県をはじめとして各地に大停電をもたらしたあの台風15号の通過した朝スタートだったため、出発時間を含め、予定されていたメニューは大きく変更となった。そして、5世代用意されていたレガシィは、2台しか乗れないことが分かり、今回、すべての世代のインプレッションを紹介しようと意気込んでいたが、敵わぬことに。ただ、個人的にはレガシィのワンメイク本に執筆していたし、何より知人たちがレガシィのレアなモデルに乗っていたことなど、レガシィとの付き合いはとても深く、乗らずしても覚えていることも多いので、試乗したモデルを中心にしながら、歴代レガシィについて、そして、阿智村星空ドライブを紹介していこうと思う。
初代レガシィ、そうこれこれ!(写真6枚)
1989年に誕生した初代モデルは、デビュー前に10万km連続走行・世界速度記録挑戦において平均速度223.345km/hを樹立したこと、生い立ちやキャラクターは異なっていたものの、レガシィと同じくターボ+AWDというトピックを持っていたスカイラインGTS4やギャランVR-4よりもリーズナブルな価格設定こと、さらにレガシィの前身であるレオーネで提案したステーションワゴン+AT+ハイパワーターボを洗練させ、より身近な存在としたGTをリリースしたことで、大ヒットに至る。そのデザインをひと目見て伝わってくるように、レガシィではレオーネで表現しきれなかったヨーロピアンテイストを存分に表現し、それをキャビン、装備、そして走りにまで一貫して作り込み、当時、特に強かった欧州モデルへの憧れを誘っていた。

搭載されるユニットは、レガシィと同時にデビューしたEJ型水平対向エンジンで、スタンダードの排気量を2.0L(NAターボ)とし、200ccの排気量増がもたらすゆとりを与えた2.2L、経済性を求めた1.8Lなど、様々なバリエーションを展開。ちなみにこのEJ型ユニット、もちろん当時のままではないが、9月15日現在、STI WRX(もちろんターボ)に搭載され、国内でも販売が行われている。初代で印象的なのは2.2Lを搭載し、NAエンジントップグレードとなるブライトン220だ。排気量がもたらすゆとりと、さらにエアサスペンションがプラスされた仕様が用意され、その乗り味は、ターボモデルのカットビ感とは異なる、大人テイストにあふれており、憧れであり、スマートさが感じられた。
この世代のレガシィは、こういったアッパークラス感から、経済性を求めたFFモデルまで、様々な仕様が展開され、レガシィという新しい名前を広くに知らしめた。