日本のワゴンブームの立役者
1989年、豊かなライフスタイルへの誘いを具現化してくれるようなモデルが登場した。今のスバル、当時の富士重工業からリリースされたレガシィだ。「速さ」だけのスポーティではなく、ドライビングの愉しさを堪能させてくれる「心地よさ」まで含めた広義のスポーティさ、そしてどこまでも出掛けたくなるというグランドツーリング性能も合わせ持っていた。レガシィはバブル経済の後押しもあって、大ヒットモデルとなる。
その世界観は、クルマの基本スタイルであるセダン、そして、ツーリングワゴンというボディで表現され、後に不整地にも踏み入れられるようにと車高を50mmアップさせたグランドワゴンという3スタイルをもって表現されている(現在ではセダンとこのグランドワゴンの後継となるアウトバックの2スタイルのみ)。
そんなレガシィも、デビューから30年を迎え、北米では次世代モデルである7世代目モデルが発表・発売。日本導入も間近と噂されるタイミングで、スバルから試乗可能なコンディションに整えた歴代レガシィと最新のレヴォーグに試乗しながら、満点の星空を観に出掛けませんか? との誘いを受けた。SUBARU GT EXPERIENCEと名付けられたこの試乗会の目的地は長野県下伊那郡阿智村。そこは長野県南部、木曽山脈の南端、恵那山を越えれば岐阜県という位置にあり、川の流れによって作られた伊那谷の端、温泉地で有名な昼神温泉郷があるなど、南信のいいところが全て手に届く距離にある。