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実際にガソリンの1.6Lターボ、ピュアテック180ps仕様で、早速パリ市内の路上に設けられた、強制減速用のバンプを乗り越えてみたのだが、液体に浮かんだまま身体がゆっくり上下するような、優しいクッション感に驚かされた。

上下動はあるのだがあくまで当たりが柔らかく、ズドンと下から突き上げられたり、上方に体が放り出されるような感触がないのだ。SUVルックのボディ形式であるため車高も視線位置も高いが、それはとりもなさずサスペンションのストローク長がたっぷり確保されていることでもある。ある意味、そう、C5エアクロスはアクティブかつカジュアルなSUVルックとは裏腹に、最初からコンフォート至上主義の乗り心地スペシャリストなのだ。

シトロエン C5 エアクロスの座席
シトロエン C5 エアクロスの後部座席
写真はSHINEのハーフレザーシートで、上位グレードにはナッパレザーシートも用意される。シートに高密度フォームを埋め込むという独自の手法で快適な座り心地を生み出している。

柔らかい極上タッチに官能性すら薫る

その印象は、街を出て高速道路を巡航するような局面で、ますます明確になる。まず2730mmというCセグのSUVとしてはかなり長いホイールベースもあって、直進時の安定感は十分。さらに柔らかな乗り心地に輪をかけるのが、「アドバンスト・コンフォート・シート」と呼ばれる前席シートの柔らか仕立てだ。マッサージ機能やシートヒーターを含むだけではない。シートの座面と背面のクッション圧を可能な限り柔らかく、それでいて的確に支えることで、乗員の身体を快適にホールドして疲れにくくさせる。加えて先進的運転支援システムの作動も安定している。

ACC(車速感応式クルーズコントロール)を効かせた瞬間、車線内での自車位置を右寄りか左寄りか中央か、レーンポジショニングメモリー機能ができるだけ守ろうとするので、車線内で左右にフラつくことがない。タイヤの転がり音や風切り音といった走行ノイズもよく抑えられているし、ソフトな素材感でまとめられ採光も豊かな室内と相まって、車内コンフォートはきわめて高い。それは単に快適性だけが突出しているのではなく、走行中のオンボード・ライフ全般のレベルを高める、そういうヴィジョンの下で生み出される経験なのだ。

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