滞在先はロッジのような癒しのホテル
空路、羽田から新千歳へ。身軽な旅ゆえ、機内持ち込みのスーツケースひとつで済ませる。荷物を待つこともなく、JRへサッと移動し、札幌駅へ。冬場は止まることも多いが雪の時期でなければ小一時間で到着する。その後、地下鉄へと乗り換えてすすきので下車。目指すホテルに行く前に、前回行けなかったスープカレーの名店をリベンジをしようと思った。
が、なぜだか某地図アプリの示すところに目的の店がなく、怪しく徘徊する羽目に陥った。昼とはいえすすきのの繁華街、しかもちょいといかがわしい辺りにいかにも観光客でございますといった男がひとり。昼間はほとんど人のいない場所でうろうろしているのだから呼び込みの人が声をかけないわけがない。
「面倒だなあ」と思い、そのスープカレーをあきらめることにして主目的たるホテルへと向かう。今回の札幌滞在は「アンワインド ホテル&バー札幌」。すすきのからも歩けるが、もうひとつ先の中島公園の駅からなら徒歩数分とアクセスがかなりいい。ちょっと早かったが、たまたま部屋の清掃が終わっていて、チェックインできた。
フロントで書類にサインしながらひと息つく。春とはいえ、まだ空気に凛とした雰囲気が残るころ。ホットアップルサイダーのウエルカムドリンクが身にしみる。クローブやカルダモンのスパイスと、レモンやオレンジの爽やかな香りが体を癒してくれた。
ロッジのような雰囲気。薪が積み上げられ、暖炉もある。スタッフの制服はペンドルトン。札幌の服飾専門学校とのトリプルコラボだそう。制服だけではなくバーにおいてある膝掛けなどのファブリックにも採用されており、そのゆるっとした雰囲気はホテル全体の雰囲気とマッチしている。
インテリアは木の温もりを大切にし、ヌバック風の野趣あふれるソファ、使い込まれたミッドセンチュリー風のテーブルなどが心地いい空間を作っている。友人の山小屋に招待されたような、そんな感じ。雑多な欲望がうごめくすすきのの繁華街の中にこんな癒やしの空間を作ることが驚き。その対照的な空気感がとてもおもしろい。ホテルにグランピングを取り入れたと言えばおわかりいただけるだろうか?