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日本にまず導入されるのはM850 Xdrive Cabriolet。サイズは全長4855×全幅1900×全高1345mmの4名乗り。価格は1838万円となる。

とにかく畳み込んだトップ周りのデザインが秀逸だと思う。ソフトトップを収納するカバーのリアシート後方には二つの美しいドームがあり、ステッチ処理が施されている。開放されたキャビンをぐるりと縁取る太めのクロームリングと相まって、ため息が出るほどに上品な演出だ。トップレスのまま横転した場合の安全対策として、アルミニウム製ロールオーバーバーもその下に格納されている。これはとても個人的な感想になるのだけれど、ソフトトップを開けた状態はもちろん、閉じた状態であっても先に発表されたクーペよりバランスのいいカタチに見えて好印象だった。特に新型8シリーズの低く倒されたAピラーや、薄くてワイドなロワーボディのフォルムには、オープンスタイルの方が似合って見える。

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スポーツモデルでありながら優雅なGTモデルでもある8シリーズ。快適装備も豪華そのもので、冬場の走りに欠かせないベンチレーション付きのシートなど、カブリオレモデルならではの装備が多数備わっている。

最新の8シリーズ(通はG15と呼ぶ)は、6シリーズクーペ&コンバーチブルというビッグクーペの事実上の後継モデルにあたる(ただしメカニカルな意味では6シリーズが5ベースだったのに対して8シリーズは7シリーズがベースだ)。フル4シーターのグランドツーリングカーという6シリーズはもちろんのこと、90年代にあった8シリーズのキャラクターをも踏襲しながら、そこにモダンスポーツカーに必要とされるパフォーマンスを可能な限り包み込んだフラッグシップのGTスポーツカーだ。

それをひと言でいえば「ポルシェ911イーター」、ということになる(今も昔もこのクラスのスタンダードは911なのだ)。そんな8シリーズのオープンモデルというわけで、既にクーペで定評ある見映えの良さに加えて、BMWのスポーツカーらしい”駆けぬける歓び”を期待したくなるのも当然というものだろう。

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美しいフォルムを持つソフトトップのルーフ。50km/h以下の速度域であれば約15秒で開閉することができる。

エレガントなソフトトップスタイルを採用した。実をいうと、リトラクタブル(開閉式)ハードルーフ方式でないことを嘆く日本人は多い。ソフトトップでは、ソフト=柔らかいという印象と、イタズラを懸念してのことだろう。開閉式ハードルーフというメカニカルな面白さに高機能的な価値を見出すモノ好きが多いからかもしれない。

けれどももし8シリーズが開閉式ハードルーフを採用していたら、こんなにも美しいスタイルにはならなかったと思う。ルーフ天板面積の小さな2シーターモデル(例えばフェラーリ488シリーズ)ならまだしも、フル4シーター用ともなれば天板の面積も大きくなり、格納が複雑になりがちで、デザイン面での制約が大きくなるからだ。オープンを格好よくすればクローズドで使えず、クローズドを格好よくするとオープンが無様になってしまう。

反面、ソフトトップなら折り畳んで収納できるし、なによりシンプルなデザインで、異素材×異カラーというコーディネーションも楽しめる。高級コンバーチブルはソフトトップが今でも主流であることは、ロールスロイスやベントレー、アストンマーティンといった伝統を重んじるブランドが採用していることからも分かる。

要するに4シーター用のリトラクタブルハードルーフは、中途ハンパなのだった。

開閉ボタンのワンタッチ操作でソフトトップを収納し、ウィンドディフレクターを立てて走り出した。ちなみに50km/h以下なら走行中の開閉操作も可能で、開閉に要する時間はおよそ15秒だ。

2ドアモデルのため、乗り降りは若干不便ではあるが、大きなボディの分、後席スペースは十分。4人乗車での移動も問題はなし。もちろんその高級な作りから快適性も高い。

2ドアモデルのため、乗り降りは若干不便ではあるが、大きなボディの分、後席スペースは十分。4人乗車での移動も問題はなし。もちろんその高級な作りから快適性も高い。

最新のアクティブ・クルーズ・コントロールをはじめとする運転支援システムを搭載。「BMW Operating System 7.0」の導入によりドライバーは必要な情報にストレスなくアクセスできるという。

最新のアクティブ・クルーズ・コントロールをはじめとする運転支援システムを搭載。「BMW Operating System 7.0」の導入によりドライバーは必要な情報にストレスなくアクセスできるという。

トランクの容量は幌を開けた状態でも280?を確保。

トランクの容量は幌を開けた状態でも280?を確保。

後席を倒してトランクスルーを利用すれば、長尺モノも収納することができる。

後席を倒してトランクスルーを利用すれば、長尺モノも収納することができる。

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