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洒落っ気のルーツはおじい様にあった

幼少期の話を聞くと、驚きの話題が次から次へと登場。現在の小林さんの、洗練されたライフスタイルも当然と思えてしまった。

「外で走り回っているタイプで、いうことを聞かない子でしたね。いつもおじいちゃんの家で、悪さをして蔵に閉じ込められてずっと泣いていました(笑)」。

まず、話に出たのは母方のおじい様。この方は繊維関係の会社を経営していた無類の趣味人だったようだ。まだ自動車が日本にない時代、英国のバックヤードビルダーから設計図を取り寄せて、鍛冶屋に車を作らせていたというから驚くほかない。小林さんは、小学校2〜3年生頃に、クルマの仕組みやエンジンの構造などを教えられたことや、いすゞ・ヒルマンミンクスを所有していたことなどを鮮明に記憶しているという。

大の自動車好きの小林さんは、60歳を機に堺 正章さんに誘われ、ミッレミリアに出場している。こちらは愛車のアルファロメオで、レースの際に撮影されたもの
大の自動車好きの小林さんは、60歳を機に堺 正章さんに誘われ、ミッレミリアに出場している。こちらは愛車のアルファロメオで、レースの際に撮影されたもの。
こちらも小林さんの愛車、英国のACアシーカ ブリストル。のちにキャロル・シェルビーが生み出したACコブラは、こちらを母体として誕生したことも説明していただいた。
こちらも小林さんの愛車、英国のACアシーカ ブリストル。のちにキャロル・シェルビーが生み出したACコブラは、こちらを母体として誕生したことも説明していただいた。

「祖父はとにかくおしゃれな人で、真っ白な麻のスーツを着て、自動車に乗り、どしゃぶりの日でも母に車を洗っておくようにと、言うような人だったそうです(笑)」

ほかにもおじい様の逸話はたくさんある。いまから60〜70年前に敷地内にテニスコートと日本庭園、さらにはバーベキュー場が設けられていたというのだ。また、家のふすまを開くと中にスイッチがたくさん並んでいて操作すると、日本庭園の滝から水が流れたり、水車が回ったりする仕掛けもあったのだとか。

VAN miniでファッションに目覚めた

お母様もファッションに関心が高く、小林さんは幼少期からアメ横で買ったポロシャツやTシャツを着せてもらっていた。

「その頃の小学生は白シャツに黒の短パンが当たり前。母はそれが嫌いでした。着せられた赤いTシャツを着ていくと、周囲から『赤い服なんて女の着るものだ』といじめられてね。その反動で生まれて初めて自分で買った洋服は、周囲と同じ白のポリエステルのシャツでした(笑)」

小林さんがはじめてファッションを意識したエピソードを聞いたところ、小学校4年生のときに買ってもらったVAN miniであったという。VAN miniは当時大人気だったVANの手掛ける子ども服。初めて買ってもらったものがモスグリーンの丸首のシェットランドセーター、ベージュのチノパン、グリーンのラインの入った白いポロシャツ、デザートブーツであったことや、新宿伊勢丹2階で購入したことなど、記憶はいまも鮮明だ。

20年以上愛用のマリタリアーティのバッグ。驚きの機能性を次の画像で確認してほしい。

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マリタリアーティのバッグを真上から見たところ。ボストンバッグのようでありながら、大きく開口するので箱のように使えるのだ。

マリタリアーティのバッグを真上から見たところ。ボストンバッグのようでありながら、大きく開口するので箱のように使えるのだ。

マリタリアーティのバッグ。大きく開いた上面はレザーのカバーで覆うことができるスグレモノだ。

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35年前に購入したロセッティのブーツ。「この1、2年は、履く機会が多いですね」。

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「今では、こんな斑(ふ=うろこの模様)が、なかなかないんですよ」というクロコの名刺入れ。35年愛用の名品だ。

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セリーヌのクラッチバッグ。3つの薄いクラッチが、スナップボタンで着脱可能なのでシーンに応じて、必要な数だけ使うことができる。

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5〜6年前に購入したフェンディのミニクラッチ。シボやステッチが特徴的で、レザーの肌触りも抜群によい。

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約40年前にヴェルサーチェがデビューした時代のクラッチバッグ。とても高価だったが、あまりに好みだったので思い切って購入してしまったそうだ。

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マロの創業者であるアルフレッド・カネッサさんが、自身の名を冠したブランドのカシミアのベスト。繊細な色遣いに注目したい。

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柄の緻密さが見事な、エミスフェールのシルクスカーフ。35年間、愛用の一品である。

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