メンズファッション業界にはお洒落なだけでなく、とても個性的な生き方をしている人がたくさんいる。この連載では、いま注目の業界人のファッション履歴を通じ、各人の人間的な魅力に迫ってみたい。
第十一回 トレメッツォ代表 小林 裕さん
Profile
小林 裕さん/トレメッツォ代表
1956年東京生まれ。幼少期から祖父、母親の影響で、自動車やファッションなどさまざまなカルチャーに触れて育つ。大学生時代にテイジンメンズショップでアルバイトを始め、大学卒業後はアルファキュービックに入社。31歳の若さで事業部長となり活躍し、41歳で退社する。その後、マロとの契約による営業職などを経て、2005年にファッション専門の輸入商社であるトレメッツォを設立。PT01、タリアトーレなど、独自の審美眼でさまざまなイタリアンブランドを日本に紹介し、評判となる。 トレメッツォ公式サイト http://tremezzo.jp/
社名の由来にも人柄が表れる
東京生まれ、東京育ちといっても、これほど都会的な方は、そうはいないのではないだろうか。着こなしもさることながら、人を引き込む滑らかな語り口も、漂う雰囲気も、とにかくアカぬけているのだ。
「14年前に独立をしたときに、イタリアのコモ湖に行きました。コモ湖は人という字の形をした湖で、その中心にトレメッツォ(トレは3、メッツォは中心の意味)という町があります。日本、イタリア、お客様の3点の中心にいたいとの思いから、トレメッツォを社名にしました。カメラの三脚も3点で支えていてぐらつかないでしょう? トレメッツォにはグランドホテル トレメッツォがありまして、いつかこのようなホテルに来られるようになりたいなと思っていました」と、小林さん。
社名の由来を聞いただけでも、なんともセンスの良い雰囲気がお分かりいただけるだろう。さらに付け加えるなら、トレメッツォの会社のロゴマークは、コモ湖の形状を反転したものというから、ぜひ地図と見比べてほしい。