大人の手紙、守るべき3つの作法とは?

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メールやソーシャルネットワークが主流となった今でも、手紙のチカラを生かすべき時は必ずある。マナーに添いつつ柔軟に、手紙の本質=気持ちを伝えるコミュニケーションだと意識したい。手紙文化研究家・中川 越さん監修で、新作法を紐解く。

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その一、
まず基本形を整える

文頭に入れる”拝啓”は「謹んで申し上げます」。文末に入れる敬具は「謹んで申し上げました」を意味する。いずれも相手への敬意の表明であり、日本人のメンタリティとして要件へ入る前と後の挨拶と考えるのが正解。

さらに丁寧な表現として「謹啓 — 謹白」もある(明らかに格上の相手にはこちら)。ごく親しい間柄での日常のやりとりでは”前略—草々”を使うなど、本題から入る場合もあるが、こちらは上級テクニックとして、手紙慣れしてからの方が良いだろう。

その二、
手紙のゴールを設定する

手紙はある目的をもって書かれる。それは、相手との関係性をどうしようとしているのか。過去、現在、そして未来にどんな関係性を望んでいるのかが、一つのゴールになる。お礼をするなら、今後も良好な関係を望むのだろうし、お願いをするのなら希望を叶えたいのだろう。

こうしてゴールへ向かって筆を進めることで、文章がとっちらかるのを防ぐことができる。結局何を言いたかったのかが、相手にきちんと伝わることがすべてだ。
無用な修辞より、どこまで相手のことを思い、自分の言葉を届けるのか、それに尽きる。

その三、
“らしさ”を少し付け加える

筆で書く、絵を添える、短歌を加える……。手紙はメールと違い、ある意味有機的な関係を結ぶことに他ならない。だからこそ、書き手のパーソナリティを手紙に添えることで、より良好な関係につながる。それは、ペンやインク、便箋や封筒などからも滲み出るものであり、受け取る人への心遣いの一つと考えてもいい。

手紙文化研究家
中川 越さん

手紙文化研究家。1954年生。雑誌・書籍編集者を経て、執筆活動に入る。これまでに手紙に関する書籍を数十冊執筆・監修し、手紙の価値や楽しさを紹介。3月に新刊「すごい言い訳!」が新潮社より出版された。



※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年4月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)


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