勲章スーツ名鑑
素材からラグジュアリーを追求する2大巨頭 vol.2
勲章のようにいつかは身に纏いたい、贅を尽くしたトップメゾンのスーツ。今季も最先端のモードと最高峰の仕立てを兼ね備えた名品が、各メゾンより登場した。まずは素材使いに目を奪われる、2つのメゾンの新作から見ていこう。
DUNHILL
ダンヒルの「ベルグレービア」モデル
スーツ46万円、シャツ3万1000円、タイ2万9000円、チーフ1万5000円/以上ダンヒル(ダンヒル)
らしさは踏襲しつつ奥行きを増した3ピース
厚みのあるパッドによりシャープに構築されたショルダーに、逞しい胸元のライン。メゾンのスーツは数あれど、これほど英国クラシックの趣を宿したスーツはダンヒルをおいて他にないだろう。そのダンヒルの昨年最大のトピックといえば、マーク・ウェストンの就任だが、スーツはどう変わったのか? 答えがこの3ピースにある。
ベースはメゾンの最定番、サヴィル・ロウのスタイルにインスパイアされた「ベルグレービア」フィット。伝統が堅持された一方で、さらりと個性が光るのは素材のセレクトだ。シャープなハリコシと冷たい光沢感のあるそのモヘヤウールは、他方で温かみのある杢調。ミッドブルーの淡い発色も相まって、これが緊張感の中にも艶っぽさを秘めた、奥行きのある表情をスーツに与えるのだ。
ダンヒル
クリエイティブ ディレクター
マーク・ウェストン氏
コーチやダナ キャランニューヨーク、バーバリーなど名だたるブランドで経験を積んだ才気溢れる人物。昨年、ジョン・レイの後を継ぎ就任した。
「永遠のスタンダードを春らしい明るい色彩で表現」
コレクションのすべてをマーク・ウェストン氏が初めて統括する、2018年SSシーズン。メゾンのクラフツマンシップを重視する彼は伝統を踏まえつつ、色彩や風合いで新鮮味を表現した。
[MEN’S EX2018年03月号の記事を再構成]
撮影/谷田政史(CaNN)〈人物〉、若林武志〈静物、取材〉、上仲正寿〈取材〉、長尾真志〈取材〉、武蔵俊介〈静物〉、久保田彩子〈静物〉 スタイリング/武内雅英 ヘアメイク/MASAYUK(I The VOICE) 構成・文/伊澤一臣 文/池田保行(04)、秦大輔、間中美希子、吉田 巌(十万馬力) 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー