パリの工芸博物館(アール・ゼ・メチエ)にはブレゲの飛行機が!

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ブレゲ家の歴史の一端に触れられる博物館へ

フランスの科学力を集大成した、アール・ゼ・メチエ(パリ工芸博物館)には、ブレゲファミリーが航空機産業に進出した時代の実機R.U.1No.40複葉機が、大天井から吊りさげられ展示されている。ブレゲファンとしては、その偉大な家族の歴史を知るうえで、どうしても見てみたいもののひとつである。

また電信という技術が確立した時代に、ルイ-クレメント・ブレゲが、1938年に製作した、シャルル・ウィートストーン設計の電信指示機もそこにはあった。この機械はキーボードでアルファベットを打ち、電線を通じて電文を送るもので、パリとルーアンを結ぶ鉄道で使用されたものだという。

もちろんここには、初代ブレゲの製作したポケットウォッチや、二代目のシャルル・ブレゲが作った、シンギングバード時計なども展示されている。またアンティード・ジャンビエやフェルディナント・ベルトウなどフランスで活躍した、偉大な時計界の先人が製作した、オリジナルを間近に見ることができる。時計の歴史を深く学びたい者には、巡礼すべき聖地のひとつだといえるだろう。

パリ工芸博物館にはブレゲの飛行機が!

フランスが誇る発明品の数々を展示する

フランス革命の嵐が過ぎ去った1794年。グレゴワール神父という人が廃墟と化していた修道院に、フランスが発明した、科学の結晶である工業製品を中心に蒐集しようと働きかけ、この博物館は開設された。数々の発明としてブレゲの時計や、プジョーの蒸気自動車、初期の機械式計算機、天文観測装置、ジャカード織機など素晴らしいコレクションにあふれる。中央ホール天井には1911年にブレゲが作ったR.U1単発複葉機がある。

アール・ゼ・メチエ(パリ工芸博物館)
住所:60 Rue Reaumur, 75003 Paris
パリ工芸博物館は3区のマレ地区、ポンピドゥーセンターの北あたりに。

[MEN’S EX 2017年9月号の記事を再構成]
撮影/Ikuo Yamashita 取材・文/松山猛



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アンティード・ジャンビエによる天文時計、アストロノミカルクロックは、グレゴリオ暦と革命歴の両方を表示する、複雑な機構を備える。

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ブレゲのグランドコンプリケーションNo.92は、ダブルサイドウォッチと言って、表裏両面に文字盤があり、ムーンフェイズやカレンダー機構をもつ。

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天文機器のコレクションも見応えがあるものだったが、その他に電気などのエネルギー機器の発展や、初期の交通機関などの展示も楽しめた。

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